鳩山偽装献金深まる  疑惑に逃げる民主党 

10日の衆院政治倫理・公職選挙法改正特別委員会は、民主党提出法案の審議なのに、同党議員が出席を拒否したため、審議が行われないまま流会となった。

 9日の同委で与野党が一斉に、民主党鳩山由紀夫代表の偽装献金問題を追及。虚偽記載のために削除された献金者の一部が実は献金していたとされる「宙に浮いた献金」問題や、献金がなかったのに寄付金控除の書類が交付されていた「脱税疑惑」など、鳩山氏の調査や説明への疑念が噴出した。

 このことを尋ねられると、法案提出者の民主党議員は「個々の問題に答える立場にない」などと口を濁すばかり。このため、疑惑追及の“集中砲火”にたまりかね、10日の委員会から逃げ出したとの見方がもっぱらだ。

 一方、民主党は9日、与党側が求めていた15日の党首討論開催を「来週は政局が不安定で流動的になる」など不可解な理由で拒否。しかも、「今国会は必要ない」(民主党輿石東参院議員会長)との声まで上がっている。これまた党首討論で鳩山偽装献金問題が追及されるのを恐れたからと見られている。

 また、鳩山氏は7日に疑惑の弁明を行う政治倫理審査会への出席を「一つの発想としては考えられる」と前向きともとれる発言をしていた。ところが、8日に岡田克也幹事長が「政倫審への出席はない」と出席拒否の考えを示すと、鳩山氏も「党の判断に従う」と発言を翻した。

 委員会審議を欠席し、党首討論や政倫審から逃げ回る民主党の露骨な“鳩山隠し”。それは今回の偽装献金問題の闇の深さを物語ってもいる。

 近づく衆院選を前に、党が受けるダメージを避けようと頭を抱えてじっとしていれば暴風雨は過ぎ去るとでも考えているのか。しかし国民は、鳩山氏は説明責任を果たしていないと思う人が今も「73%」(10日付「読売」)に達している。政権を狙う政党の代表ならば、あらゆる機会を通じて説明を果たすべきである。

(公明新聞:7月11日)