元気な家計へ有効な施策

「定額減税」など公明の主張が随所に

総合経済対策

 苦境にあえぐ家計や中小企業を元気にする有効な施策として大いに歓迎したい。

 政府・与党は29日、物価高や景気低迷などに対応する経済対策を含めた「安心実現のための総合対策」を決定した。

 総合経済対策では、(1)生活者の不安の解消(2)「持続可能社会」への変革加速(3)新価格体系への移行と成長力強化――の三つを目標に、生活・雇用支援や中小企業の活力向上などへの具体策を明記。公明党の主張も随所に盛り込まれた。

 この中で、物価高対策として公明党が実現を強く迫ったのが「定額減税」だった。定額減税は、所得税や個人住民税から一定額を差し引くもので、中低所得者への恩恵が手厚い。当初、自民党は難色を示していたが、生活現場の窮状を訴える公明党の粘り強い主張が功を奏し、ギリギリの交渉の末、今年度内の実施で合意にこぎ着けた。

 同時に、年金受給者などに対しては、臨時福祉特別給付金を支給し、年金額を上乗せする。いずれも単年度の措置として、減税規模などについては年末の税制論議に併せて検討する。

 今や家計の状況は非常事態にある。賃金が伸びない中、生活必需品の相次ぐ値上げが家計を直撃し生活費負担が増加。「まさに今、消費の下支えと生活防衛が極めて重要」(太田昭宏代表)な時期だけに、実効性の高い措置となるよう議論を進め、一日も早い実施を望みたい。

 このほか、生活者の不安解消に向けては、(1)輸入小麦の政府売り渡し価格の引き上げ幅の圧縮(2)高速道路料金の引き下げ、首都高速阪神高速の対距離料金制度の導入延期(3)在職老齢年金制度の見直し検討――も盛り込まれた。特に、10月以降の小麦価格は、このままでは20%程度値上がりし、食品の値上げが加速する恐れが強かったため、生活者にとっては朗報といえる。高速道路料金の引き下げも、運送業者の負担軽減や地域経済の活性化につながる。

 一方、原油、原材料価格の高騰で中小企業が被る打撃も大きい。価格競争が激化する中、立場の弱い中小企業は原油や原材料価格の上昇分を製品価格に転嫁することが難しく、これが厳しい経営状況をさらに深刻化させている。倒産件数もここ最近は増加の一途をたどる。

 そこで総合経済対策では、中小企業支援として、セーフティネット貸付強化など資金繰り対策や、トラック運送業など燃料費負担の大きい特定業種への支援を強化する。景気後退が濃厚な中、中小企業が成長力強化のカギを握るだけに、こうした施策が実施される意義は大きい。

ムダ排除も全力で

 もう一つ、注目されているのが政策実現の財源だ。総合経済対策では「これまで以上に、ムダ・ゼロ、政策の棚卸し等を徹底し、一般会計、特別会計の歳出経費の削減を通じて対応する」とした。この文言を踏まえ、公明党はムダ排除にも全力を挙げる決意だ。
(公明新聞:8月31日)