ムダ排除へ一層の見直しを

公明、厳しいチェックで改革推進

特別会計  

 「母屋(一般会計)でおかゆを食って節約しておるのに、離れ座敷(特別会計)で子どもがすき焼きを食っておる」――。2003年2月の衆院財務金融委で、塩川正十郎財務相(当時)がこう批判した特別会計が今、改めて脚光を浴びている。

 衆議院の早期解散・総選挙ムードが高まるなか、各党・予定候補ともに、福祉や景気対策など、公約に掲げる政策の財源として“特別会計”を挙げる。

 ここでアピールしておきたいのは、公明党の推進で特別会計改革が既に実行に移され、06年度からの3年間で、特別会計の積立金・剰余金から総額27兆円が国債の償還や一般会計の歳入に充てられたことだ。「元祖ムダゼロ」と胸を張れる公明党の「実現力」に今後とも期待してほしい。

 国の特別会計は、08年度予算の歳出純計額(他会計との重複を除いた額)が約178兆円と、一般会計総額(約83兆円)の2倍以上になる。その規模の大きさもさることながら、各省庁が縦割りで管理・運営し、資金の出入りも複雑で分かりにくいため、国民の監視が十分に行き届かず、「ムダな支出の温床」との指摘が根強くある。

 現に、今春の道路特定財源をめぐる議論では、道路整備特別会計(08年度に社会資本整備事業特別会計に統合)の支出が、マッサージチェア購入や余暇活動(レクリエーション)などの過剰な福利厚生にも利用された実態が明らかになり、問題になったところだ。

 これまでの一連の改革で「行政改革推進法」「特別会計に関する法律」が相次いで成立し、特別会計を11年度までに、06年度の31から17に統廃合することや、積立金や剰余金の財政健全化への活用、財務状況の情報開示を図ることが決まったのは大きな前進といえる。08年度現在、21会計に縮減され、総額27兆円が一般会計などに繰り入れられたことは、その第一歩として評価できよう。

予想上回る剰余金

 しかし一方で、特別会計の07年度決算で、剰余金が42.6兆円に上ることが財務省資料で明らかになったことが報じられている。当初の見積もりを15兆円上回ったにもかかわらず、一般会計に繰り入れられたのは1.8兆円。多額の剰余金が積立金や翌年度への繰り越しに回ったことになる。一層の見直しが求められるのは当然である。

 特別会計の積立金などは06年度末時点で約196兆円に上る。その約8割は年金給付など将来のために積み立てられているものだが、公明党は積立額が適正かどうかを厳しくチェックし、過剰なものはさらに取り崩していきたい。特別会計による事業も、事業の要不要を選別する「事業仕分け」の手法で不必要となれば、ただちに廃止し、「税金のムダ」を徹底して省いていく決意だ。

 「離れ座敷が母屋にすき焼きを届けるようになり、健全で仲の良い一家が築かれた」と評価される特別会計にしたい。
(公明新聞:9月17日)