将来の資金需要に対応

中小・小規模企業が対象 一部地域除き21日から
公明が粘り強く推進

中小・小規模企業が将来起こり得る資金ニーズに備え、あらかじめ保証枠を確保できる「予約保証制度」が、今月21日から開始されます。

 最近、経営が順調に見えた企業が突然、黒字倒産するというニュースを耳にするようになりました。金融危機などの余波による資金繰りの急速な悪化で運転資金がやり繰りできなくなり、売り上げがあるのに人件費や仕入れ費の支払いができないで倒産に至ってしまうことです。

 これまでも銀行などの民間の金融機関では、取引先の企業に対して一定期間に一定の融資枠を設定し、不測の事態に備えて、いつでも資金提供を行う契約(コミットメントライン)がありました。しかし、このシステムは資本金3億円を超える株式会社などの大企業に限られており、中小・小規模企業は対象外でした。

 予約保証制度は、将来予想される資金需要に迅速に応えるため、保証付きの融資予約を中小・小規模企業に可能にする制度です。利用する中小企業の業種指定もなく、あらかじめ金融機関と信用保証協会の審査を受ければ予約ができます。

 コミットメントラインでは借り入れがなくても契約期間中にコミットメントフィーと呼ばれる手数料を支払わなければなりませんが、予約保証制度では予約時に手数料は必要はありません。実際に融資を受けることになった段階で、特別の保証料率(通常保証料に0・2%程度の上乗せ)が適用されます【図参照】。


 予約期間は1年程度で、中小企業庁では、「実際の融資の具体的な水準などについては各信用保証協会に確認してほしい」としています。全国52の信用保証協会のうち、システム変更の対応が間に合わない岩手、福島、高知、香川を除く48の信用保証協会で21日からスタートします。

 公明党は、2007年12月12日、太田昭宏代表と党経済産業部会(赤羽一嘉部会長=衆院議員)らが当時の額賀福志郎財務相に、予約保証制度の創設をはじめとする金融面での支援充実を強く要請。その後、太田代表、浜四津敏子代表代行が衆参本会議の代表質問で同制度の早期実現を主張したほか、今年2月には、福田康夫首相(当時)に対する中小企業緊急支援に関する申し入れの中でも同制度の導入を要請するなど、粘り強く実現を推進してきました。
(公明新聞:11月17日)