「定額給付金」の実施が確定

“春を呼ぶ3点セット”で生活温かく

補正関連法の成立


 出口の見えない不況に突入し、冷え込む家計にとって“春を呼び込む一筋の光”となろう。

 景気対策などの財源確保に必要な2008年度第2次補正予算の関連法が4日、衆院本会議で与党などの3分の2以上の賛成で再可決され、成立した。

 これで「定額給付金」「子育て応援特別手当」「高速道路料金引き下げ」の“春を呼ぶ3点セット”実現が確定。5日には北海道西興部村青森県西目屋村で給付金の給付が始まった。

 かつてない勢いで景気が減速する中、定額給付金を実施する意義は以前にも増して大きい。

 未曾有の危機から脱出し、持続的な成長をめざす上でカギを握るのは「内需の拡大」だ。世界経済の減速で米国や中国への輸出主導の「外需依存型経済」は、もはや崩壊したに等しい。欧米各国に比べ日本の国内総生産(GDP)の落ち込みが大きいのも、外需依存の成長に限界が生じたことにほかならない。 内閣府は先月、日本経済が年20兆円もの需要不足に陥っているとの試算を示した。総務省の1月の家計調査でも、2人以上の世帯の消費支出が実質で11カ月連続のマイナスだ。景気悪化や雇用不安の広がりを背景に、国民の財布のヒモは固い。こうした現状を考えれば、定額給付金が生活支援や消費刺激策として重要であることは明らかだ。

 また、子育て世代で話題の子育て応援特別手当への反響も大きく、給付を望む声は強い。

 それもそのはず。昨年10月まで、わが国は戦後最長の景気回復を続けてきたとはいえ、賃金は伸び悩み、回復の実感なきまま、好景気に終止符が打たれた。特に、子育て世帯の負担は増す一途で、毎日のやりくりに悲鳴を上げる家庭も少なくない。

 この手当は、教育費がかさむ幼児教育期(小学校就学前3年間)の第2子以降の児童1人当たり3万6000円を一時金として支給するもの。定額給付金と同時給付する自治体もあるだけに、子育て世帯には“ビッグボーナス”となるに違いない。

 高速道路料金の引き下げは満開の桜で心を和ませようと出かける人にとって朗報であろう。

 地方の高速道路は普通車などを対象に、土・日・祝日は終日、上限1000円で走り放題に。首都高速道路阪神高速道路などでも割引が拡充される。いずれも今月28日から実施される予定だ。観光需要の増加だけでなく、運送業のコスト削減などの経済効果にも期待したい。


民主の対応は無責任


 それにしても、民主党は現下の厳しい経済状況をどう認識しているのか。今回の関連法案の審議・採決でも、民主党の無責任な引き延ばしが顕著だった。

 景気悪化が想定以上の速さで進む中、対策の遅れは日本経済の沈没に直結しかねない。にもかかわらず、「経済対策の実行を遅らせてきたのは野党、なかんずく民主党であり、厳しく批判されねばならない」(公明党北側一雄幹事長)。民主党の猛省を強く求めたい。
(公明新聞:3月6日)