需要創出し、雇用増やす柱

画期的な自動車、学校、家電のエコ化

環境対策


 戦後最大の経済危機脱出へ、政府・与党が決定した新経済対策の柱として、環境対策が注目を集めている。

 財政支出が史上最大規模の15・4兆円(事業規模は56・8兆円)に上る新たな経済対策は、2008年度1次、2次補正、09年度予算での75兆円の景気対策に続くもので、「これで未曾有の危機を乗り越える」との、わが国の意思を世界に先んじて発信した意義を持つ。

 その成長戦略の柱といえるのが環境対策だ。具体的には、自動車、学校、家電のエコ化を強力に促進する。いずれも日本経済の立て直しに欠かせない「国内需要の創出↓雇用拡大」の牽引役として大いに期待できる。

 エコカーの普及については、車齢13年を超える車を廃棄し、ハイブリッドカーなど新しい燃費基準の環境対応車に買い替えた場合、普通乗用車で25万円、軽自動車では12・5万円を補助する。廃車を伴わなくても、05年排出ガス基準より有害物質を75%以上低減させた排出ガス性能(四つ星)を持ち、かつ10年度燃費基準を15%以上上回る普通車に10万円、軽自動車に5万円を補助する。同制度は今年4月10日まで遡って適用される。

 自動車産業は、09年度税制改正で過去最大規模のローン減税が決まった「住宅」と並んで関連分野が多い。それだけに、中小企業などの雇用を守り、増やす波及効果が期待される。

 エコスクールでは、世界最先端のレベルにある日本の環境関連技術を生かし、全国約3万2000校の公立小・中学校を中心に、太陽光発電のパネル設置などを含めたエコ改修を3年間で集中的に進める。

 太田昭宏代表を先頭に、いち早く公立小・中学校への太陽光パネル設置を提案した公明党の主張が実って、今回の新経済対策に盛り込まれたものだ。

 一方、省エネ性能に優れたグリーン家電の購入を促すため、省エネ型のエアコン、冷蔵庫、地上波デジタル放送対応テレビの購入価格の5%分を、他の買い物に使える「エコポイント」として受け取れる制度も盛り込まれた。これも、エコポイント制度の導入・普及を早くから推進してきた公明党の取り組みが実を結んだものといえる。

 さらに、地デジ対応テレビの場合、先着1500万台までは5%上乗せの10%となる上、古いエアコンやテレビ、冷蔵庫をリサイクルに出せば、そのリサイクル料金分も上乗せされるのは、うれしい限りだ。


市場規模拡大する先鋒


 斉藤鉄夫環境相公明党)は20日、環境をテーマにした経済活性化策=日本版「グリーン・ニューディール」構想を発表した。同省の試算では、環境ビジネス市場規模を06年の70兆円から20年に120兆円に、雇用規模を同140万人から同280万人に、それぞれ拡大する効果があるという。

 その“先鋒”として、今回の自動車、学校、家電のエコ化は重要な役割を担う。

(公明新聞:4月25日)