チェック! 鳩山政権

変節した「脱官僚
郵政社長に続き人事官にも官僚OB

鳩山政権の発足からまだ2カ月というのに、政権の錦の御旗であるはずの「脱官僚」はすっかり変節したようだ。


 政府は、斎藤次郎・元大蔵事務次官日本郵政社長就任に続き、人事院人事官に江利川毅・前厚生労働事務次官を充てる人事案を提示。官僚OBである江利川氏の起用について、鳩山由紀夫首相は10日の参院予算委員会で「府省庁が権益を守るために役所OBを配置する天下りとは違う」と強弁して見せた。


 しかも、政府側は野党から天下りの定義を追及されると、「府省庁のあっせんを受けずに、適材適所の再就職をすることは天下りに該当しない」との文書を国会に提出。野党時代に民主党天下りについて「(役所から)あっせんを受ける、受けないにかかわらず問題だ」(長妻昭政調会長代理=当時)と主張しており、矛盾は明らか。


 政権交代の前に言っていたことと、政権交代後にやっていることがあまりにも違い過ぎるため、「有権者に聞こえがよい『天下り禁止』は、自公政権を追いつめ、政権交代を果たすためのスローガンでしかなかったと取られても仕方がない」(11日付「朝日」)だろう。


 時事通信社世論調査でも、鳩山内閣が「脱官僚」「政治主導」を実践できているかの問いに、46・9%と半数近い人が「そうは思わない」と回答。「脱官僚」は看板倒れではないかと国民も厳しい目を向け始めている。
(公明新聞:11月15日)