波紋広げる首相の普天間発言

「正直びっくりした」防衛政務官
「ものすごい擦れ違い」自民政調会長

米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移設問題を協議する日米の閣僚級作業部会に関し、鳩山由紀夫首相がキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)に代替施設を建設する現行計画を前提としない考えを表明したことが15日、波紋を広げた。岡田克也外相は首相に理解を示したものの、政府内からは困惑の声も上がった。この問題をめぐる迷走は続きそうだ。


 首相はオバマ米大統領との会談で、普天間問題について作業グループを通じて迅速に結論を出すことで一致。大統領は日米合意の履行を求めたが、首相は14日、記者団に「日米合意が前提なら作業グループをつくる必要はない」と語った。


 この首相発言について、長島昭久防衛政務官は15日のNHKの番組で「オバマ米大統領が『今の日米合意を迅速に実行する』と言ったにもかかわらず、首相が(打ち消すような)話をして、正直びっくりした」と述べた。


 長島氏は「米議会も日本の動きを見ており、(在沖縄海兵隊の)グアム移転の予算が付かず計画全体がなくなる可能性も出てくる」との懸念を示し、早期決着の必要性を訴えた。


 一方、日米首脳会談の直後に露呈した両国の認識ギャップに対し、自民党石破茂政調会長テレビ朝日の番組で「ものすごい擦れ違いだ。何の意味がある会談だったのか」と厳しく批判した。
(公明新聞:11月16日)