通常国会が始まりましたが・・・

しっかり、地に足の着いた審議をお願いしたい。「国民目線で働きます」これは選挙のための建て前だったのか?
鳩山総理の問題、小沢幹事長の問題、潔白だと言うなら検察と国民に同じ事を説明すれば済むことだ。それを何をゴチャゴチャ言ってるのか。


斉藤政調会長衆院代表質問(要旨)

公明党の斉藤鉄夫政務調査会長が19日の衆院本会議で行った代表質問要旨は次の通り。


 冒頭、先般のハイチで発生した大地震により、亡くなられた方々とそのご遺族に対して、心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に、お見舞い申し上げます。


 さて、まずは、政権交代から4カ月余り、鳩山総理について、3点、ご指摘申し上げたい。それは、第1に「国民への説明なし」、第2に「国民への信義なし」、第3に「リーダーシップなし」、この3つの「なし」でございます。


 第1の「国民への説明なし」。言うまでもなく「政治とカネ」についてでございます。


 総理自らの問題にとどまらず、総理の姿勢を反映しているのか、閣内、さらには、民主党内でも次々と疑惑が持ち上がり、残念ながら事件にも発展してしまいました。


 まずは、総理自身の偽装献金問題、そして実母からの巨額の贈与と贈与税の問題でございます。


 偽装献金問題については、総理の元秘書が在宅起訴されましたが、「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべき」とのかつての総理の言葉はどうなったのでしょうか。


 贈与の問題については、月額1500万円、1日に換算すれば50万円もの実母からの贈与を本当に知らなかったなんて、国民が信じられると思いますか。結果として、12億円を超える贈与にかかる贈与税を納めてこなかった、すなわち、国民の義務たる納税を怠っていた事実は、「知らなかったから」「親の金だから」といって、説明なしで国民は許してくれると思っておられるのでしょうか。額に汗して納税している国民からすれば、税逃れであり、脱税そのものではありませんか。


 そして、その巨額のお金は一体何に使われたのでしょうか。まったく説明責任を果たしていないのではないですか。この場で、その使途を明らかにしていただきたいと存じます。


 また、先週、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反の疑いで、現職国会議員の石川知裕民主党衆議院議員をはじめ3人が逮捕されました。小沢氏に関連した事件は昨年に続いてであり、極めて異常なことであります。


 この件について、当事者である小沢氏が説明責任を果たしているとは到底言えません。「検察と闘う」という決意だけで、説明責任を放棄するならば、それは権力を持つ政府・与党の正しい態度ではない。このように思います。法と証拠に基づき、真相を究めようとする政府機関たる検察当局に対し、与党・民主党全体が、圧力を掛けるかのごとき印象を与えるのは、法治国家として尋常なこととは言えません。


 また、総理自身が、小沢氏の民主党幹事長職の留任を容認した以上は、小沢氏の政治とカネをめぐる疑惑にも、総理の説明責任が生じたのであります。総理の説明を求めます。


 いずれにしても私は、政治家たるや、まずは、疑惑を持たれている当事者自らが説明責任を果たしていくことが基本であり、さらには、所属政党すなわち民主党自らが真相の究明に当たり、自浄能力を発揮するよう強く期待するものであります。


 公明党は、先の国会で、会計責任者が不正行為を働いた場合、監督責任のある議員の公民権を停止する政治資金規正法改正案を提出いたしました。総理は、昨年の衆院選の際の党首討論でこの法案に賛意を示されておりましたが、今国会でぜひ成立を期すべきと考えます。明確な答弁をお願いいたします。


マニフェスト違反 「国民への信義なし」


 第2の「国民への信義なし」。その最たるものは明白なマニフェスト違反についてであります。


 予算の組み替えとムダの削減でマニフェスト実現に必要な財源7兆円は簡単に出せると豪語していたのに、現実には国債発行と一時的ないわゆる“埋蔵金”頼みの予算編成になったのが、そのマニフェスト違反の第1。そして、ガソリン税などの暫定税率は、“廃止”どころか実質的に“維持”されました。特定扶養控除マニフェストでは“存続”と明確でしたが、16歳から18歳のこの控除は見直されました。


 私は、すべて100%マニフェストどおりでなければならない、と言うつもりはありません。特に暫定税率については、われわれは民主党の主張は間違っている、このように言ってまいりました。しかしながら、暫定税率廃止は、一昨年の4月に民主党がそれこそ「ガソリン値下げ隊」の、のぼりを掲げ、結果として、1カ月間の一時的な引き下げを行い、大混乱を引き起こしました。そして、マニフェストの最重要課題に盛り込まれたのであります。しかし、それが今回、“廃止”ではなく、実質的に“維持”されることとなった。では、あの混乱は、あの大騒ぎは、いったい何だったのか。


 そこで鳩山総理に伺いますが、「ガソリン値下げ隊」は間違いだったのですか。マニフェストが間違いだったのですか。それとも、今回の判断こそが正しかったのですか。明確にお答えください。


重要課題の閣内不統一 「リーダーシップなし」


 第3の「リーダーシップなし」。鳩山内閣の閣僚が、内閣としての一体感もなく、統制もなく、それぞれが好き勝手に発言し、総理の存在感がまったく見えない中で、予算編成、税制改正論議は迷走を続けました。


 司令塔不在による鳩山内閣の迷走は、予算・税制にとどまりません。特に、指摘しておきたいことは、普天間基地移設問題をめぐる閣内の迷走、武器輸出三原則の見直しに言及する防衛大臣、消費税の認識に対する閣内の不統一など、国の根幹にかかわる重要課題で、閣内はバラバラ、総理は適切に指導力を発揮できていないという事態は異常でございます。


 総理。基地問題、武器輸出三原則、そして消費税の課題について、内閣としての明確な統一的見解を示してください。


経済財政政策
「雇用と仕事をつくる」を最優先に


 日本経済は、世界を震撼させた金融危機の泥沼からはようやく脱しつつあるものの、鳩山内閣による第1次補正予算の執行停止の影響やデフレの進行により、景気「二番底」の懸念はなお消えず、重大な局面に掛かっています。


 特に雇用問題は深刻です。新卒者の内定率は、昨年12月時点で、大学新卒者で73・1%、高校新卒者で68・1%と、かつての「就職氷河期」に匹敵する非常事態を迎えています。雇用不安、なかんずく若者の失業の増大は、将来の日本の危機です。今こそ政府が先頭に立ち、雇用対策、雇用創出に取り組むべきであります。


 地方経済も深刻です。中小・零細企業においては、長引く不況やデフレの影響、さらには公共投資の大幅削減の影響などもあり「昨年より今年の方がより深刻」「発注する仕事も受注する仕事もない」と、“悲鳴”を通り越え、“あきらめ”の声へと変わりつつあります。


 「雇用をつくる」「仕事をつくる」――これこそ、今、政府として最重要で取り組むべき経済対策の視点であります。そうした視点から、第2次補正予算案、来年度当初予算案が、こうした現場の生の声に応え得る力強さを持った予算なのかどうか、ここが重要であります。


 さらには、特に地方経済をどうしていくのか、敷衍して申し上げれば、民主党政権下で今後、公共事業の削減が常態化していく中で、それに代わる仕事、地域の産業は何なのか、生活の基盤をどこに置けばよいのか、単に削減するだけでなく、その先の道筋を示すこと、まさしく具体的な成長戦略を早急に政府が示すべきではないでしょうか。


 本当に困っている人にどのようにして手を差し伸べられるのか。総理の経済状況の認識と経済対策の効果、さらには成長戦略についての総理の答弁を求めます。


 デフレの長期化は日本経済をじわじわと弱体化させてしまいかねず、深刻に受け止めるべきであります。デフレの克服に向けては、私見ではありますが、政府、経営者、そして労働者ともに、知恵を出し合って、「縮み経済」からの脱却を図る必要があります。例えば、経営者には苦しいだろうが賃金を上げる努力を、さらには働き方ではワークシェアリングを、そして政府においては需要をつくり出す明確な成長戦略の策定と実行を、それぞれ一体的かつ有機的に機能するよう連携しながら進めていくべきではないでしょうか。総理の認識を伺います。


 前政権がつくった第1次補正予算については、内閣府の分析においても経済対策の効果は明白であったものの、鳩山政権になってから、当初はマニフェスト財源に活用するという名目で、約2兆9000億円が凍結されました。結局は、その財源の多くを活用し、今般の第2次補正予算案が編成されるに至りましたが、その結果、2次補正・本予算の執行までに財政面での対策において5カ月近い空白ができてしまいかねず、景気の動向が懸念されるところであります。


 総理は、この凍結という判断は適切であったと本当に思っておられるのか。今後、景気の「二番底」、失速は避けられると宣言できますか。明確にお答えください。


 第1次補正予算で凍結された356事業のうち101事業が鳩山政権下での平成22年度概算要求において“復活”し、最終的には76事業が平成22年度予算案に計上されているようであります。


 第1次補正予算で執行停止したものを改めて平成22年度予算案に計上したことの理由、そして、こうした措置が経済効果という観点から見て、具体的にどのような影響・効果があると推計しているのか、総理の答弁を求めます。


 さて、第2次補正予算案の景気対策については、エコポイント事業やエコカー補助金の継続、金融対策など、前政権下で実施してきた対策の継続などが並んでおります。また、エコポイントの対策を住宅に拡大するという案も、環境対策と経済活性化の両立を図る前政権の経済対策と考え方が同じです。このような対策であるならば、なぜもっと早く編成し、実施に移そうとしなかったのか、政府のスピード感の欠如は否定できません。


 国民の皆さまの最大の関心は、景気「二番底」の懸念がある中で、生活を守るための景気対策であり、雇用対策であります。今般の第2次補正予算案が、真にその対策になっているのかどうか、その内容には、以上申し上げてきたように問題点なしとしません。


 しかし一方で、現場を歩いてみれば、「ともかく仕事をつくってほしい」「早く景気回復の手を打ってほしい」との切実な声があります。国民の生活を守ることこそ、政治の役割です。そのようなわが党の基本的考え方に立てば、2次補正予算について、早期成立を図るべきではないかと私は考えております。濃密な、十分な議論とその環境整備を求めるものであります。


介護問題
2月に公明独自の新ビジョン


 次に、深刻な介護問題について申し上げたい。公明党は昨年11月から12月にかけて、全国3000人の議員が一丸となって全国47都道府県で「介護総点検」を一斉に展開し、10万件を超える“介護現場の悲鳴”を全国から集約することができました。


 現在、その詳細分析を進めており、2月中には公明党独自の新たな新介護ビジョンを世に問うつもりでございます。


 介護保険制度の施行から10年を迎え、随所で制度疲労を起こしており、介護現場には難問が山積しています。


 何年待っても入れない特養ホームの待機者問題、核家族化で高齢の妻が高齢の夫を悪戦苦闘しながら介護している実態、結婚前の娘さんがシングル介護を決断し、収入面の不安を抱えながら、先行きの見えないまま両親の介護に踏ん張っている実態。総点検で明らかになったことは、介護施設が圧倒的に足りない、在宅介護の不安を解消できていない、介護現場で働く人に夢と希望を与えられていない――ということでございます。


 総理、だれもが一生のうちで経験する介護。たとえ高齢者になっても安心して暮らせる社会の構築に向けて、政治の決断が必要であります。抜本的な介護基盤の整備にどう取り組むのか、総理の答弁を求めます。


 今、まさに政治が何を決断し、そして何を実行していくのかという重要なこの時、私たち公明党は、本当に困っている方々のそばに寄り添い、福祉を守り、環境を守り、そして何より国民生活を守るため、国会議員そして地方議員3000人のネットワーク「KOMEIチーム3000」一丸となって、日本を変える力となっていく決意であることを強く申し上げ、質問を終わります。


斉藤政調会長の質問に対する鳩山首相の答弁(要旨)


 一、(首相の偽装献金問題について)批判は真摯に受け止めて、改めることは改めていく。


 一、(首相が母から受けた巨額の贈与の使途について)帳簿や領収書などは全て東京地検に任意提出している。書類返還後、弁護士の調査チームによる分析、検証を既に依頼している。


 一、(小沢氏の政治資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反問題の説明責任について)説明責任を果たすのは当然であり、疑惑を持たれた本人が自ら判断して潔白を証明するため、必要な説明を行うべきだ。捜査の進展の中で潔白を説明するために必要な事項について、本人が説明するものだと考えている。


 一、(公明党が主張する政治資金規正法改正の賛否について)昨年の衆院選党首討論のときに、公明党が提案した政治資金規正法の改正に関して、前向きに対処すべきだという旨を述べたのは事実。各党、各会派でしっかりと議論していただきたい。


 一、(公明党の総点検結果を受けた介護基盤の整備について)介護基盤の整備は誠に重要。(公明党の)新たな新介護ビジョンが提案された暁には、ぜひ拝見したいと思っている。

(公明新聞:1月20日)