民主の箇所付け漏えい 「利益誘導」に批判噴出

2010年度の公共事業の予算配分(個所付け)を都道府県連に漏らしていた民主党に対して、「これこそ利益誘導」(17日付「毎日」)といった批判が巻き起こっている。

 個所付けは、道路や河川などの公共事業について、具体的な実施場所と配分額を示したもので、本来は予算が成立した後の3月末に政府が正式に発表する。ところが、民主党国土交通省から得た個所付けに関する資料を1月末に党県連に伝え、一部の地方自治体に知らせていた。

 しかも、15日に国会に提出された資料で、党県連や知事の要望を受けた道路の事業費が、昨年(2009年)の概算要求時と比べて増額が相次いだことが判明。

 増額された地域の傾向として、「昨年の衆院選民主党議席を獲得し『好成績』を収めた地域が多い」(16日付「毎日」)ほか、福井や鳥取など今夏の参院選民主党が「議席奪取を目指す『重要選挙区』」(同「読売」)と重なっていることまで浮き彫りになった。

 こうした民主党の手法は、「公共事業がほしければ民主党に票を入れろという利益誘導政治の発想」(北海道大学山口二郎教授=14日付「東京」)そのもの。与党内からも「地元でヒアリングしても『いらんよ。』という声が聞こえる道路に予算を付ける民主党に疑問を感じた」(国民新党亀井亜紀子幹事長代理=7日付ホームページ)との声が上がっている。

 これでは、政府と民主党が「一政党の利益のために行動したつもりはない」などと躍起になって反論しても、説得力に欠ける。野党時代、民主党は利益誘導政治を強く批判していたが、言行不一致の体質は「政治とカネ」の問題だけではないようだ。
(公明新聞:2月19日)