動物ふれあい授業

先日、ツイッター上で弥富市内で開業されておられる獣医師の先生から、表題の「動物ふれあい授業」についてご紹介いただいた。
この授業はウサギやチャボなどの小動物と触れ合う事により、「命の暖かさ」や「命に大切さ」、「他者への思いやり」などを育むというもの。
市内の小学校でもウサギなどの小動物を飼育しており、文科省の指導要綱にも明記されている。しかし、実際は何の目的で飼育しているか定かになっていない所が多いようだ。
飼育方法や、飼育環境の周知もまちまちで、その役目を果たしているとはいえない。残念な事だ。
現代は、そこかしこに情報が溢れており、知識だけはいくらでも汲み上げることができる。しかし、知識は実体験があってこそ生きるものである。
知ることと、実際に見ること、触る事は雲泥の差がある。食べ物をみて「おいしそうだな」と思うことより、食べて「おいしい!」と感動する事のほうが絶対いいだろう。
人と人との関係が希薄化している今日、人は様々な現象において知識ではかり、安易に判断していないだろうか。自分の理解していない事柄には統計的な情報のみで判断していないだろうか。
獣医師の先生に議会でも勉強会をもっていただき、有志ではあったが弥富市議会のほとんどの議員が参加し、行政側からは市長と教育課次長も参加下さった。
その勉強会では、日本獣医師会に属する獣医師の先生方が、各地において展開されている「学校での動物飼育」の現状視察と、専門的な見地から正しい飼育指導、本来あるべき学校で飼育している動物達と児童達の「ふれあい授業」などの紹介をしていただいた。
印象に残ったのは、子供たちのウサギの絵。ウサギと触れ合う前の絵と、実際にさわって抱っこしたり、心音を聞いたり触れ合った後に描いた絵がぜんぜん違うということ。
ただ単に学校の小屋にウサギがいると思っていた子供たちが、「おなか空いてないかな?」「寒くないかな」などウサギの気持を考えるようになったそうだ。これが本来あるべき学校飼育のあり方であり目的なのである。
「キレる子供」「暴力をふるう子供」が増えているという。目を疑いたくなるような事件が後を絶たない。好奇心旺盛な少年期に体験すべき事を、大人の都合で奪ってはいないか?知識を得る為の体験の場をうばってはいないか?形骸化した教育を押し付けてはいないか?本来、意味あることが生かされていない事に真摯に向き合う必要があると強く思う。
下記は、元参議院議員浮島とも子氏のブログからの抜粋である。



2007/02/08
女性議員いきいきブログ
生命を大切にする教育を・学校での動物飼育が思いやりはぐくむ
党文化局長/浮島智子

 2007年となりはや1カ月が過ぎましたが、この間には耳を覆いたくなるような事件が相次ぎました。こうした事件の報道を聞くたびに、「生命を大切にする教育」の大事さを痛切に感じました。
 今、IT化が急速に進み、メールや携帯電話でのコミュニケーションが多くなっていますが、最近の事件を見ると、その背景には直接人と接する機会が少なくなっていることがあるように思います。私は教育の中で、さまざまな分野での直接体験を重視することが必要だと考えています。
 では「生命を大切にする教育」のためには、どのような体験が必要でしょうか? その一つのきっかけになるのが、学校における動物飼育です。この動物との触れ合いということで私には、忘れられない言葉があります。それは、ある小学生の男の子が、学校で飼っていたウサギを抱いた時に言った、「すごく温かいんだ!」という言葉です。
 この言葉には、生命と生命が触れ合った時の新鮮な感動、そして驚きがあります。こうした感動や驚きこそが「生命を大切にする」教育には一番必要ではないでしょうか。
 「動物は子どもの心を育てる!」。これは、先日行われた全国学校飼育動物研究会全国研究大会での報告の結論です。研究会の席上、動物飼育が子どもたちの心にどう影響を与えるかの発表がありました。学校で1年間動物を飼育した子どもは、しなかった子どもに比べ、とても思いやりがある子どもになったというのです。
 このように動物飼育が子どもの心、「命を大切にする教育」にとって大きな力を持つとしたら、学校で動物を飼育していくことがとても大事となってきます。私も国会で質問をさせていただきましたが、学校教育で動物飼育を活用できるようさらに取り組んでいきたいと思います。