「心の健康」ご本人と家族には何が必要か

(Facebookに投稿した内容と同じです)

私は医者でも専門家でもないので、ここで書くのはあくまでも所感です。逆にご意見をいただけたらと思います。

弥富市で「こころの健康セミナー」を開催して以降、心の不調を感じておられる方からご相談をお受けすることが多くなりました。
複雑な社会生活の中でストレスを溜め込み、それを解消できず心身の不調を来たし、うつなどの精神疾患を発症し、ほっとくと重度化するか最悪自殺に至ってしまいます。
セミナーで「NPO法人きぼうのにじ」の中村理事長は、それらを防ぐにはまず病気を知る事、そして自身と周りの方々とで気付き、気付き合い早期に治療に繋げる事が大切だと訴えられています。
また各自治体では周知とゲートキーパーの養成に力を入れるところも多くなってきました。

問題は重度化してしまった方々、常態化してしまっているご家庭はどうすればよいのかということです。
昨年から数十件のご相談を受け、支援制度などに繋げる事はできても本当の改善にはなりません。
専門の医療機関にかかっていても薬をもらうだけになっていたり、治療の為に通院しているのに、気が付けば何年もかかっているというのが現状です。

重度化してしまったご本人、またはお世話をするご家庭では、第三者の介在なくして改善は望めないところが多いのではと思います。
では第三者とは。例えば本人を支える家族を支援する「家族会」や「相談所」。これは小規模でもいいから絶対必要です。(広域では有りますが、遠いと通えないのが現状です。)それは本人の自主的な治療と自立のための環境をつくるため、そして共依存などに家族が陥らないためです。
また、重度化してしまうと本人はもちろん、家族も適切な医療機関、治療方法など選択できる余裕などないからです。

病院といってもピンからキリです。これは相談者の方が通院される際、可能な限りカウンセリングに同席させていただいた私の実感です。何処がとは書きませんが、セミナーでも質問が多かった様に、薬剤治療だけでなく複数の治療方法がある病院。専門医師、臨床心理士の多い病院といったところでしょうか。お一人の医師の病院でも家族にまで気を配られ、時間にとらわれず、じっくりカウンセリングをされる病院もありました。そこでは「〇〇病院では、こういう治療法もやってますから、よろしければ紹介状書きます」と応対してくれます。これが普通でしょう。
ご本人が重症化し、家族が薬をもらうために代理通院を繰り返す。これが怖いと思います。

現在、弥富市では「心の体温計」の導入も決まり、周知の質はいくらか高まるように思いますが、先に書いた「第三者」、同じような悩みを抱えるご家族と、それを克服したご家族の方々の協力によるサポートが必要です。そして常態化を自主的治療にむかわせるため、有効な手段に繋ぐソーシャルワーカー的な存在が必要です。それも受身でない存在が。
地域包括ケアシステムの概念はここにも生かしていかなければならないと思います。