長寿医療 廃止なら7割が負担増

野党は無責任
与党、より良い制度に改善

民主党など野党は、長寿医療制度後期高齢者医療制度)について、元の老人保健(老健)制度に戻すだけの廃止法案を先の通常国会に提出。今臨時国会で継続審議になっています。

 現行制度では7割以上の世帯で保険料が安くなっていますが、老健制度に戻ると、その方々の負担が増えます。廃止によって一番困るのは国民の皆さまです。

 そもそも共産党を除く与野党は2000年、財政的に限界に達している老健制度を抜本的に改革し、新たな高齢者医療制度をつくるべきだと参院の委員会で決議しています。

 また、民主党は2005年のマニフェストで独立した新しい高齢者医療制度をつくると主張し、小沢一郎代表も、かつて70歳以上は新しい医療制度でいくと言っていました。旧制度のままでは、日本が世界に誇る国民皆保険が崩壊してしまう――。これが与野党共通の認識だったはずです。それを今になって「廃止」というのは、極めて無責任な対応と言わざるを得ません。

 一方、政府と自民、公明の与党両党は6月12日、長寿医療制度について(1)低所得者の保険料軽減を7割から最大9割に拡大(2)世帯主らによる保険料納付の肩代わりを認めること――などを柱にした運用改善策を決定しました。こうした改善策の結果、保険料は高齢者世帯の7割以上で安くなりました。

 さらに、自民党公明党の連立政権合意(先月23日)では、同制度の5年後見直し規定を前倒しして、「より良い制度に改善する」ことが明記されました。今後も、高齢者の心情に配慮しつつ、改善していく方針です。
(公明新聞:10月1日)