UR家賃引上げ見送り

公明党の申し入れ受け 対象は12万6千戸


都市再生機構(UR)は2日、来年4月に予定していた賃貸住宅の家賃値上げを当分の間、見送ると発表した。同機構は2000年度以降、3年に一度、市場家賃に比べて低くなっている一部の賃貸住宅の家賃を、その差額の3分の1程度引き上げており、来年4月から平均1000円程度の値上げを予定していた。

 対象となるのは、同機構の賃貸住宅約77万戸の約6分の1に当たる、民間の水準よりも家賃の安い約12万6000戸。本来ならば家賃は4月から平均6万1300円になる予定だったが、現行の同6万300円を維持する。

 同機構は凍結に伴う減収額を年間15億円程度と見込んでいる。

 景気が急速に悪化し、物価高騰が続く中、来年4月に予定されていたUR賃貸住宅の家賃引き上げについては、高齢化が進む居住者から不安の声が上がっていた。さらに家賃引き上げは、政府・与党が10月30日に発表した「生活対策」(新経済対策)が、国民生活を守る方針を打ち出していることに逆行しかねないとして、公明党は先月28日、太田昭宏代表を先頭に、金子一義国土交通相に対し、UR賃貸住宅の家賃引き上げの凍結を要請。この公明党の意向を受け、金子国交相がUR側に家賃を引き上げないよう求めていた。
(公明新聞:12月3日)