定額給付金 “痛み”和らげる生活対策

三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部 主席研究員 鈴木明彦氏


定額給付金は、生活対策としての面を評価するべきでしょう。原油価格の高騰をはじめ物価が上昇する中、所得は伸び悩み、生活が苦しくなったという人も多いはずです。給付金は、こうした“痛み”を和らげる処置が必要との考えから出発しています。

 物価が2%上昇した場合、4人家族が同じ生活水準を維持するには、支出は8万円増えると試算できます。これを考えると、4人家族で6万4000円の給付は、生活対策として意味のあることだと思います。

 バラマキ批判もありますが、受け取る側としては、「助かった」という印象は少なくないはずです。

 ただ、実際の給付に当たっては、それなりの経費も掛かります。その辺りの議論が今後、必要でしょう。
(公明新聞:12月3日)