野党の雇用法案 提出遅く、規模小さい

政府・与党 すでに万全の対策
与党国対委員長が批判

自民、公明の与党両党と民主、社民、国民新の野党3党の国会対策委員長は18日午前、国会内で会談し、野党が参院に提出した雇用対策関連4法案について協議した。

 席上、野党側が4法案の早期成立を求めたのに対し、与党側は野党案の問題点を指摘し、同法案に反対する考えを示した。

 会談後、自民・大島理森、公明・漆原良夫の両国対委員長は記者団に対し、会談での与党側の発言を紹介しながら、野党4法案について大要次のような見解を述べた。

 一、政府・与党として新雇用対策を12月9日に決定し、すでに(成立した)第1次補正予算に基づくものは実施している。(来年)1月5日に提出する第2次補正予算案と来年度予算案にも盛り込み、すべての準備を整えて進めている。(野党3党は)なぜ今、慌てて法案を出すのか。遅すぎる。

 一、(野党3党は)参院で法案の十分な説明がなく、適正な手続きと議論もさせないまま、わずか2時間半の審議で一方的に採決しようとしている。労働契約は、ILO(国際労働機関)条約で、労使の意見を聞いてまとめるとある。それもせずに法案を出すこと自体、内容的におかしいのではないか。

 一、野党の法案は(規模が)3400億円ぐらいと、小さすぎる。(政府・与党は)総額で2兆円の対策を打とうとしている。1次補正と現行予算でやれるものをやりながら、2次補正を早く成立させることこそ最大の雇用対策だ。すでに住居対策で(雇用促進住宅への入居)約400件を決定し、雇用止め(対策)や生活支援をしっかり実施している。生活支援は、政府・与党の方が金額的に非常に大きい。その点でも野党案には賛成できない。

 一、野党法案が成立しても施行は来年だ。遅すぎる。むしろ政府の政策遂行を阻害しかねない。(野党案の)内容は、あまりにも遅すぎ、あまりにも小さすぎ、あまりにも問題がありすぎる。

野党提出法案                

1、[採用内定取り消し規制法案]
内定を取り消す場合、書面での理由明示を義務付け

政府・与党の対応 
現行法でも内定取り消しは解雇の扱いとなり、既に厚労省から企業に周知    


2、[派遣労働者等解雇防止緊急措置法案]
雇用調整助成金」の対象を「2カ月」以上勤務の非正規社員に拡大   

政府・与党の対応
既に与党の提案で「雇用調整助成金」は非正規社員も対象


3、[住まいと仕事の確保法案]
職業訓練などとセットで、住宅貸与と最高月10万円の生活資金を給付。解雇後も住居を提供した事業主には家賃助成

政府・与党の対応
雇用促進住宅の活用や、ハローワークに特別な窓口をつくって対応。第2次補正では、住宅入居費用などで最高186万円の貸与を予定


4、[有期労働契約順法案]
契約期間中の退職ルールの明確化。合理的理由がない場合の雇い止めは制限

政府・与党の対応
期間満了でも雇い続けなければいけないという立法措置は行き過ぎ
(公明新聞:12月19日)