生活を守る公明党

予算・税制の実績から

景気悪化から国民生活を守るため、政府・与党は、総額75兆円規模の景気対策を打ち出し、2008年度第1次補正予算、年明けの通常国会に提出する同第2次補正予算案や2009年度予算政府案、税制改正案に盛り込みました。こうした予算・税制に関する公明党の実績を紹介します。


生活支援

子育て
妊婦健診全額無料化に道筋

 「チャイルドファースト(子ども優先)」社会構築のために、子育て支援策を大幅に拡充。

 2008年度第2次補正予算案では、妊婦が健診費用を気にせず、必要な回数(14回程度)の健診を受けられる道筋が付けられました。

 2010年度までの間、地方自治体に対し、財政措置されていない残りの9回分の健診費用を支援します。来年度予算案には、出産育児一時金の上積みも盛り込まれました。来年(2009年)10月からの1年半、現行の35万円が42万円(本人39万円、出産事故に備える保険費用3万円)に引き上げられます。

 幼児期の子育て家庭を応援するため、2008年度の緊急措置として「子育て応援特別手当」(仮称)も創設。誕生日が2002年4月2日〜2005年4月1日までで、第2子以降の子ども1人当たり、年額3万6000円が支給されます。

教育
入学資金50万円まで貸与

 学生が安心して学べる環境がさらに整えられます。来年度予算案では日本学生支援機構奨学金について有利子、無利子合わせ、奨学金の貸与人数が前年度比で5万6000人増。入学資金貸与額も現行の30万円から50万円まで引き上げます。

 親の失業など、家計が急変した時の支援策も設けます。第2次補正予算案に計上された「地域活性化・生活対策臨時交付金」を活用し、地方自治体の教育費負担軽減策を支援します。

減税
住宅ローン控除は最大規模

 来年度税制改正では各種減税が拡大。住宅関連では、今年(2008年)末の住宅ローン減税を5年間延長。控除額も大幅に拡充し、最大控除額は一般住宅で最高500万円、長期優良住宅では同600万円と過去最高水準に引き上げ。中低所得層に配慮し、住民税からの減税も創設します。自己資金で住宅の省エネ、バリアフリー、耐震改修をする場合の税額控除制度も新たに設けられます。

 自動車関連では、環境性能に優れた新車を購入すると3年間に限り自動車重量税自動車取得税を減免。両税について、ハイブリッド車は免除、その他一定の基準を満たした適合車について燃費基準などの度合いに応じ段階的に軽減します。

 こうした車両を既に保有している場合には車検1回分の自動車重量税が軽減されます。

定額給付金
冷え込んだ家計の消費を喚起

 冷え込んだ家計に一足早い“春”を届ける総額2兆円規模の定額給付金が2008年度第2次補正予算案に計上されました。

 支給額は1人当たり1万2000円。来年2月1日の段階で65歳以上か18歳以下の方には2万円を支給。夫婦と18歳以下の子ども2人の4人家族で6万4000円になります。

 各市区町村では来年3月末までの開始をめざしていますが、景気を下支えし、消費を喚起する対策として、一日も早い実施が待ち望まれています。

 市区町村から世帯主あてに送られてきた申請書に振込先金融機関などを記入。本人確認書類などとともに返送後、給付金が振り込まれる仕組みが有力。口座が使えない場合は直接、窓口での受け取りも可能です。

雇用
住居確保など離職者支援

 職を失い住む場のない非正規労働者などへの住居確保策として、全国187カ所のハローワークで15日から相談事業が始まり、雇用促進住宅(約1万3000戸)への入居あっせんなどを実施。最短で相談日即日の入居が可能となりました。

 さらに、雇い止めや解雇となった派遣労働者などに引き続き住宅を無償提供する事業主に対し、1人当たり月4万〜6万円(6カ月まで)を助成するなどの対策を講じています。

 雇用維持対策では、失業の予防を目的に事業主に対し助成する雇用調整助成金の対象を雇用期間が6カ月未満の雇用保険被保険者の非正規労働者にも拡大。また、派遣労働者を派遣先事業主が雇い入れた場合、労働者1人当たり100万円(大企業は50万円、有期雇用の場合も50万円)を助成します。

 再就職支援では、過去最大規模となる4000億円の基金を設立。一方、職業訓練期間中の生活保障を強化するため、08年度第1次補正予算で実現した月最大10万円の給付金を同第2次補正予算案で12万円に拡充しています。

 内定取り消し対策では、企業名公表を含めた指導を強化。さらに、内定を取り消された学生を正規雇用した事業主に対し、1人当たり100万円(大企業は50万円)の奨励金を新たに支給します。

【住居対策】

雇用促進住宅(約1万3000戸)の活用

・社宅を無償提供する事業主へ助成

 (1人当たり4万〜6万円、6カ月まで)

・住宅・生活支援の資金貸付

 (12月から開始、最大186万円)

【雇用維持】

雇用調整助成金の対象を拡充

派遣労働者を雇い入れた事業主へ奨励金

【再就職支援】

・4000億円規模の基金を創設

 「ふるさと雇用再生特別交付金(仮称)」 の拡充(2500億円)

 「緊急雇用創出事業(仮称)」の創設(1500億円)

自治体の取り組みを特別交付税で支援

職業訓練中の生活保障】

・1次補正で実現した月最大10万円の給付金を、2次補正で月最大12万円まで拡充

【採用内定取り消し対策】

・企業名公表を含めた企業指導の強化

中小企業支援
緊急保証枠 20兆円に拡充

 10月末に、小規模・中小企業の資金繰りを支援するため緊急保証制度が創設されました。これは、中小企業が金融機関からお金を借りる際、信用保証協会が100%保証し、一般保証と別枠で最高2億8000万円(無担保は8000万円)の融資を円滑に行う仕組みです。

 開始以来、利用件数は13万8000件超、金額で3兆2000億円を突破(24日現在)しました。6兆円の保証枠は、今年度の2次補正予算案で20兆円まで拡充されます。全国の信用保証協会では、週末を含め30日まで連日、相談を受け付け、資金調達を支援します。

 また、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付の金利や貸付条件などの拡充、商工組合中央金庫商工中金)の中小企業向け危機対応業務などの政府系金融機関による緊急融資枠も、2次補正で10兆円に拡充することが決まっています。

 建設関係の中小企業のための「地域建設業経営強化融資制度」も、11月4日に開始。また、下請け業者の相談体制の拡充や、下請け業者を守るための法令の厳格な運用を強化します。

法人税軽減、還付など実施へ

 2009年度税制改正では、新たな中小企業の減税が2200億円規模に。資本金1億円以下の中小企業の年間所得800万円以下に適用されている法人税の軽減税率(本則30%)を来年4月以降2年間、22%から18%に引き下げます。

 また、今年度が赤字でも前年度に黒字だった中小企業を対象に、前年度に納めた法人税の一部を還付する「欠損金の繰戻し還付制度」を来年2月に復活。

 さらに、非上場中小企業の株式を承継する際の相続税贈与税の納税猶予制度も導入されます。


医療・介護

医療
医師確保、救急対策が前進

 公明党が力を入れてきた医師確保や救急医療の対策が大きく前進します。まず、産科医にお産1回1万円の手当を払う制度を新設。併せて救命救急センターなどで働く救急医に夜間約1万8000円、休日約1万3000円を支給する制度や、へき地診療所派遣の医師に交通費などを支給する制度などが創設されます。

 産科、救急、へき地医療を担う勤務医の支援を手厚くすることで医師不足解消をめざします。

 また、救急患者を24時間体制で受け入れる救命救急センターの整備や、ドクターヘリの全国配備も一段と進みます。特にドクターヘリは、2009年度予算案に8機分が計上されており、実現すれば累計で24機となります。

 新型インフルエンザ対策では、抗ウイルス薬(タミフルリレンザ)の備蓄がさらに進みます。

介護
介護報酬を3%アップ

 労働時間が長く肉体的負担が重い割に給与が低く、離職率が高い介護職員の待遇改善へ、介護報酬が2009年度から3%引き上げられます。

 また、介護福祉士社会福祉士の資格取得を応援するため、修学資金の貸付限度額の引き上げや、母子家庭の母親への給付金の支給期間の拡大などで、介護職員(現120万人)を新たに10万人確保します。

 併せて、1200億円の基金を創設し、介護報酬の引き上げに伴う介護保険料の急激な負担増を回避します。

高齢者にきめ細かく配慮

 高齢者の医療制度については、4月からの実施状況や高齢者の状況を十分に配慮し、きめ細かな改善策が講じられます。まず70〜74歳の医療費の窓口負担は、今年度と同じ1割のまま据え置かれます。

 また、75歳からの長寿医療制度において、被用者保険の被扶養者であった人の保険料負担は、今年10月から9割が軽減されていますが、2009年度もこの負担軽減策が継続されます。

 さらに、被保険者全員が年金収入80万円以下の世帯については、保険料の9割が軽減されます。


地域・農業

高速道路
休日はどこまで乗っても1000円

 高速道路料金を大幅引き下げ。ETC(自動料金収受システム)搭載車を対象に、土日・祝日なら、「普通車」と「軽自動車」は、どこまで行っても原則1000円(大都市圏を除く)とする方針。深夜(午前零時〜早朝4時)は既に半額。午後10時から午前零時までも3割引きになっています。平日の昼間も原則3割引き(大都市圏を除く)になります。

 首都・阪神高速で検討されていた対距離料金制度の導入は、不況のなかで首都圏や阪神圏を通過する中小の運送事業者に大きな負担になることから、公明党の強い要望もあって凍結され、休日に一定の割引を行う制度も導入されます。

 2009年度からの道路特定財源一般財源化に伴い、道路を中心とした社会資本の整備や関連するソフト事業などに対して、地域の実情に応じて活用できる「地域活力基盤創造交付金」(仮称)約9400億円が、地方道路整備臨時交付金に代わって創設されます。

農業
農地活用で自給力向上

 食料自給率50%を目標に、米粉・飼料用米、麦、大豆などの需要に応じた生産を支援する水田等有効活用促進交付金や所得安定対策、産地確立交付金などで、水田のフル活用を進めます。国内供給力の強化、地産地消の拡大へ向け、耕作放棄地解消対策や農商工連携を推進します。

 農地の相続税猶予制度を一般農地貸付の際にも適用できるようにします。相続税の課税方式については、農家の要望の通り、現行制度が維持されます。

 子どもの「山村・地域留学」を促進、農業の多面的機能を生かす農地・水・環境保全向上対策、条件不利地への直接支払いなどにより、農山漁村の活性化に取り組みます。農林水産業の雇用拡大も積極的に進めます。

インフラ
6000億円の活性化交付金

 政府の「生活対策」に基づき、立体交差化事業など開かずの踏切対策や電線の地中化、下水道・浄化槽の整備をはじめ、まちづくりや都市再生など地域の活性化につながるきめ細かな社会資本の整備などを進める地方自治体を支援する「地域活性化・生活対策臨時交付金」6000億円が創設されます。

 この交付金は、特に地域経済の疲弊が激しい自治体や離島、過疎地域の自治体に配慮して配分される予定です。

地域経済
情勢急変に備え予備費1兆円

 経済情勢や金融情勢の急変に備え、社会資本整備や雇用対策、中小企業支援など幅広く使える経済緊急対応予備費(1兆円)が新設。

 公明党太田昭宏代表は16日、二階俊博経産相に対し、国公立の全小中学校3万2450校に太陽光発電設備を導入する財源にその一部を充てることを提案しました。

危険な1万棟を優先改修

 学校耐震化を進めるため、改修費用に対する国庫補助率を、2分の1から3分の2に引き上げます。地震に対する危険性の特に高い施設約1万棟の改修を優先的に進めます。

 学校の体育館などは震災や風水害の際に避難場所となることも多く、防災対策強化の側面もあります。

 空港や上下水道、道路橋など、ライフラインとなる公共施設や社会資本の耐震化、長寿命化を積極的に進めます。公共施設の都市型集中豪雨や津波・高潮に対する備えも進めます。

環境
太陽光発電普及へ補助金

 斉藤鉄夫環境相公明党)が主導する地球温暖化対策の一環として、住宅用太陽光発電への補助金を創設。太陽光発電設置など省エネ住宅の新築・改修には、ローン減税を実施します。また企業や公共施設への太陽光発電の設置も進めます。

 電気自動車など次世代自動車の導入への補助も拡大。環境に優しい暮らしの実践を応援するエコポイント制も本格展開します。

 水環境保全自治体の財政改善に貢献する浄化槽設置の促進へ、モデル事業として自治体への国庫補助を3分の1から2分の1へ大幅拡充。また地域活性化・生活対策臨時交付金自治体負担分に充当できることになりました。

行政改革・ムダゼロ
特会剰余金を積極活用

 公明党が活用を強く主張してきた特別会計の剰余金・積立金。来年度予算案では、基礎年金の国庫負担増や経済対策の財源として、財政投融資特会の積立金から4兆2350億円を一般会計に繰り入れます。

 また、定額給付金をはじめ新経済対策(2次補正)の財源に、特会から4兆1580億円が活用されます。

 一方、歳出改革では、国などからの公益法人向け支出が2006年度比で実質3651億円削減。公益法人基金も見直し、来年度は654億円が国庫に返納されます。

 また、防衛関係費について、装備品調達の合理化、集中整備などによって、総額約2800億円のコスト縮減を実現しました。
(公明新聞:12月26日)