定額給付金 疑問にお答えします<上>

定額給付金は「給付つき税額控除」の先取り


問 「定額減税」だったのでは

低所得層に配慮し給付に

 
定額減税は、昨年の原油高に端を発した食料品、日用品の物価急騰などで大きな打撃を受けている家計の緊急支援策として提案されたものです。

 しかし減税方式では納税するだけの所得のある世帯しか恩恵を受けられません。さらに、所得税と住民税の減税時期が異なり効果が分散することから、例外なく迅速に給付できる給付金方式で実施されることになりました。

 定額給付金課税最低限以下の方にも給付によって減税と同じ効果をもたらす、給付つき税額控除の先取りと言えます。



問 目的がはっきりしない

生活支援し個人消費下支え

 
野党などの政治的な意図もあり、定額給付金の本来の目的が正しく伝わっていません。定額給付金の意義を改めて確認すれば(1)物価高騰のあおりを受ける家計の生活支援(2)冷え込んだ個人消費を喚起する――の2点が挙げられます。

 昨年後半からの世界的な景気悪化が進むにつれ、モノを買おうという心理が弱まっています。このため、定額給付金には個人消費の下支えの意味合いが強くなっています。

 実施されれば、ほとんどが消費に回り、国内総生産(GDP)を0.4%押し上げるとの分析も示されています。


問 世論調査で「反対」多い

「決まれば受け取る」8割超(産経新聞

 
定額給付金に反対する声がある一方で、「実際に給付金が決まれば『給付金を受け取る』と答えた人は84.8%」に達しています(13日付 産経新聞)。

 この調査によると給付金を「好ましくない」と答えた人が自民、公明の支持層では昨年11月の調査に比べ、それぞれ10.6ポイント、25.5ポイント減少。その理由を給付金に対する「理解が広がっている面もありそうだ」と分析しています。理解が深まれば「賛成」が増えることが浮き彫りになりました。




問 世界的な潮流なのか

欧米、アジア諸国で実施

 
定額給付金と同じ考え方に立った給付つき税額控除は、欧米主要国をはじめアジア諸国でも導入が進み、国際的な潮流になっています。
 アメリカでは、政府が各世帯に小切手を送付する方式で、1人当たり300ドルから600ドルを給付しました。オーストラリアでは政府が個人の納税口座に振り込む方式で給付したほか、台湾では政府が学校等に窓口を設け、給付しています。

 イギリスでは2003年に導入され、06年に全額給付方式で実施しています。

 このほか低所得者を対象にフランスやイタリアで実施され、韓国では今年初めて給付されます。

(公明新聞:1月15日)