定額給付金 疑問にお答えします<下>

問 野党は反対しているが

民主党も同様の「減税」主張

 
民主党定額給付金と同様の「給付つき税額控除」(税制抜本改正アクションプログラム)を主張し、社民党も「定額減税」を政策に掲げています。なぜ定額給付金に反対なのか全く理解できません。

 減税の効果が及ばない低所得層にも配慮するという考え方は共通です。にもかかわらず、野党が反対しているのは次期衆院選を有利に戦いたいとの思惑からです。

 定額給付金の財源は赤字国債でなく、いわゆる「霞が関埋蔵金」(特別会計の余剰金)で賄います。


問 2兆円 ほかに使うべき              


総合的な景気対策の一環

 
野党などは、政府・与党が景気対策として定額給付金しか示していないかのような印象を与えていますが、とんでもない言い掛かりです。

 定額給付金は政府・与党が打ち出している総合的な景気対策の一つに過ぎず、2008年度第1次補正予算と同第2次補正予算案【右表参照】、来年度(2009年度)予算案を通じ、政府・与党は総額75兆円規模という過去最大級の切れ目ない景気対策を講じています。

 ここには雇用対策をはじめ中小企業金融支援や地方活性化、学校耐震化など、景気回復に向けた施策が幅広く盛り込まれています。


問 自治体の負担になるのでは

地域振興に生かす試みも

 
自治体の事務が増えるのは事実ですが、全国では定額給付金を地域振興につなげようとの積極的な試みも広がっています。

 長崎県佐世保市では、地元商店街で使ってもらうため、給付金の1割増の1万3200円のクーポン券(差額は市と地元経済界が折半)を発行する計画です。

 神奈川県川崎市では、給付事務を担う人手の確保を失業者対策として行う予定です。

 今後も給付金を活用した多彩な取り組みが展開されると見られています。


問 「愚策」と言われるが

“非常時”に不可欠、識者も評価

 
野党などは、定額給付金を「愚策」などと決めつけていますが、識者や専門家は高く評価しています。

 「景気対策として悪くないと思う。しかも国庫で余っている“埋蔵金”を、本来の持ち主である国民の手に返すという意味でも大事なことだ」(高橋洋一東洋大学教授)

 「給付金は、ほぼ全額が消費に回り、GDP(国内総生産)を0.4%程度押し上げる効果はあるだろう」(藤井英彦・日本総合研究所調査部長)

 「内需の拡大は、ひとつの政策では効果が薄い場合があるが、減税・給付金・景気対策費などを同時に行うことで、相乗効果を生み出し、思わぬ刺激策となることが考えられる」(ジャーナリスト・上杉隆氏のブログから)

 かつて経験したことのない“経済非常時”を乗り切るために、定額給付金は不可欠の政策です。
(公明新聞:1月16日)