春を呼ぶ定額給付金 各地でプレミアム付き商品券発行へ

加速度増す地域活性化の動き

実施への期待がますます高まっている定額給付金定額給付金地域活性化につなげようと、プレミアム(割増)付き商品券発行の動きは全国に波及している。中には20%のプレミアム付き商品券を計画するところも現れるなど、まさに国民にとっては“春を呼ぶ定額給付金”だ。そこで、商品券発行に動き出した自治体を紹介する。


北海道新冠


 新冠町は、定額給付金の実施に合わせ、町商工会と同農協が共同して行う20%のプレミアム付き商品券の発行に対して、助成することを決めた。

 町は町内約2600世帯の全世帯に、定額給付金の申請書に同封して、商品券との引換券を配布する。この引換券によって1冊1万円で買える1万2000円分の商品券を2冊まで購入できる仕組みで、1冊は500円券の24枚つづり。


岩手・遠野市


 遠野市は13日、臨時議会を開き、定額給付金に合わせて発行するプレミアム付き商品券の事業費などを盛り込んだ一般会計補正予算を可決した。

 同商品券の事業主体は遠野商工会。1万円で1000円券11枚を販売する。発行総額は1億5000万円。市は、プレミアム分10%の1500万円と事務費513万4000円を負担する。同市の人口は、3万1039人(今年(2009年)1月末現在)。


山形・村山市


 これまで、10%のプレミアム付き商品券発行事業を行ってきた村山市と市商工会は、定額給付金に合わせて、さらに10%上乗せした20%のプレミアム付き商品券の発行を決めた。

 商品券は1000円券12枚つづりを1万円で販売するもので、半年間にわたり利用できる予定。

 人口約2万7000人に対し、発行総額は6000万円。プレミアム分の1000万円と、印刷や広報などの事務経費100万円を市が負担する。


埼玉・上尾市


 上尾市は、緊急経済対策の一環として、定額給付金の実施に合わせた、10%のプレミアム付き商品券の発行を決めた。

 発行総額は3億3000万円。発行は市商工会議所が事業主体となり、市は割り増し分の3000万円と事務費1150万円を補助する。財源は今年度(2008年度)第2次補正予算に盛り込まれた「地域活性化・生活対策臨時交付金」を充てる。

 市は、今月開かれる臨時議会に提出する補正予算案に盛り込むことにしている。


東京・練馬区


 練馬区定額給付金の実施に合わせ、10%のプレミアム付き商品券「プレミアム付区内共通商品券」を2009年度に発行することを決めた。

 発行総額は11億円(プレミアム分1億円)で、500円券の11枚つづりを5000円、計20万セット220万枚を販売する。区商店街振興組合連合会に登録する2600店舗で利用が可能。

 プレミアム分1億円と発行経費について、全額区が補助する内容を盛り込んだ補正予算案を、第1回区議会定例会に提案する方針。


東京・調布市


 調布市では、定額給付金に連動して、1割のプレミアム付き商品券(市商業協同組合発行)の4月下旬発行に向けて、準備が進められている。

 総額3億3000万円分の発行が予定されているこの商品券は、500円券が22枚つづりで1万円。市内の同組合加盟店で利用でき、市外在住者も購入できる。割り増し分は市が補助するものとし、26日から始まる定例会に上程される今年度補正予算案に盛り込まれる。


東京・清瀬市


 清瀬市では、定額給付金の支給に合わせて、1割のプレミアム付き商品券を発行する準備が進められている。

 500円券22枚つづりを1万円で販売する商品券を総額1億1000万円分、清瀬商工会が発行する予定。

 市が補助するプレミアム分(1000万円)には、「地域活性化・生活対策臨時交付金」が充てられ、3月3日から始まる市議会に提出される補正予算案に盛り込まれる。


山梨・韮崎市


 韮崎市定額給付金の実施に合わせ、10%のプレミアム付き商品券「韮崎市プレミアムふれ愛商品券」を発行する。4月1日実施の予定で、使用期間は6カ月。

 発行予定の商品券は1億円分(額面総額1億1000万円)で、1000円券の11枚つづりを1万円で販売する。市商工会会員事業所で利用が可能。

 市は、10%のプレミアム分1000万円と発行経費150万円を盛り込んだ補正予算案を、3月の市議会定例会に提案する方針だ。


山梨・甲斐市


 甲斐市は、緊急経済対策の一環として、定額給付金の実施に合わせて市商工会が発行する10%プレミアム付き商品券「甲斐市プレミアム振興券」の発行助成を行うことを決めた。

 甲斐市プレミアム振興券は、1000円券11枚つづりを1万円で販売。発行総額は1億1000万円。

 10%のプレミアム分1000万円(全額を市が負担)と発行経費を盛り込んだ補正予算案を3月の市議会定例会に提案する方針。


長野・木曽町


 木曽町商工会は定額給付金が出た後の4月中旬をめどに20%ものプレミアム付き商品券を発行する。同券は1万円で販売し、1万2000円分の買い物ができる。

 発行総額は1億2000万円で、割り増し分2000万円の8割を町が経済対策として補助。残りは事業者が負担する。


愛知・豊川市


 豊川市は、定額給付金の実施に合わせて10%のプレミアム付き商品券を発行することを決めた。

 発行総額は2億2000万円で割り増し分と印刷等の諸経費を含めた2500万円を市議会の3月定例会に補正予算として計上する。発行事業は市商工会議所が担うが、1商品券の額面など詳細は未定。


兵庫・南あわじ市


 南あわじ市は10%のプレミアム付き商品券を同市商工会と連携して発行する。市商工会が発行した商品券を全額、市が買い取り、定額給付金の交付窓口で販売する方針だ。

 発行総額は人口約5万2000人に対し、約4億円規模を計画しており、市は「1世帯に2万2000円分程度が行き渡れば」としている。

 商品券の買い取り費用は今年度の市補正予算案に盛り込まれる見通し。プレミアム分などには「地域活性化・生活対策臨時交付金」を充てるという。

 市は昨年末にも同様の商品券を発行しており、今回はその第2弾として市民の期待を集めている。
(公明新聞:2月16日)