新経済対策 ポイント解説②

安心の「医療・介護」へ


特定年齢検診に無料クーポン
女性特有のがん対策


 女性特有のがん対策として、一定年齢に達した女性を対象に健康手帳の交付とともに、子宮頸がんと乳がん検診の無料クーポンを配布します。

 子宮頸がんについては20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の人、乳がんは40歳、45歳、50歳、55歳、そして60歳が対象です。

 子宮頸がんと乳がんなどは、早期発見すれば完治する可能性が高いことが知られています。

 しかし、その受診率は、英米の7〜8割程度に比べ、日本は2割台前半という極端に低い状況が続いています。

 今回の対策によって、「政府のがん対策推進基本計画」(07年6月)で検診受診率の目標として掲げている「5年以内に50%以上」の達成に向け、大きな一歩になると期待されます。


給料とスキルアップを支援
介護職員の処遇改善


 労働環境が厳しい介護現場では、入職率・離職率が高いことや他の職種との給与格差が指摘され、その改善が急務の課題となっています。こうした現状を踏まえ、介護職員の処遇改善やスキルアップに取り組む事業者に対し、1人当たり月額1万5000円の給与引き上げ分に相当する金額を助成します。今年10月分からで、財源は4000億円です。

 4月からの介護報酬3%アップにより、介護職員の処遇改善が図られましたが、今回の措置は、介護報酬とは別の介護職員処遇改善交付金(仮称)を創設し、まず、介護現場で働く人の給料アップを優先するのが狙いです。

 この取り組みで、介護職員の雇用促進が期待されます。

 このほか、地域の介護ニーズに対応するため、地方財政措置の拡充等を通じて、特別養護老人ホームや小規模老人保健施設などの介護拠点の緊急整備を進めます。


医師確保、診療機能を強化
地域医療再生基金


 都道府県が地域の医療の課題の解決に向けて策定する「地域医療再生計画」に基づいて行う、2次医療圏(人口30万人規模)単位での医療機能の強化、医師確保などの取り組みを支援する「地域医療再生基金」が創設(3100億円)されます。

 具体的な事業としては、医師不足地域への医師派遣に対し、派遣医師への手当ての支給や派遣元病院への財政支援などを行います。また勤務医などを補助する医師事務作業補助者を重点配置し、勤務医、看護師の勤務環境の改善を促します。

 一方、地域の診療機能強化に向けて、新生児集中治療室(NICU)・救急救命センターを拡充し、IT基盤など施設・設備の整備を進めます。

(公明新聞:4月17日)