「郵便不正」絡みの国会質問、献金  民主党は説明責任果たせ

障がい者団体向けの割引郵便制度を悪用し、大量のダイレクトメール(DM)広告が発送された郵便法違反事件で、逮捕された自称、障がい者団体「白山会」の創設者、会長、職員の3人と、民主党の石井一副代表や牧義夫衆院議員との関係がクローズアップされている。

 報道によると、白山会の創設者は「石井一事務所」と明記された名刺を持ち歩き、「秘書」同然の活動をしていた。同会長は牧議員が設立した企業の社長を務めるなど、「20年来の仲」(17日付「毎日」)で、同職員は牧議員の元私設秘書だったという。

 それだけではない。牧議員は昨年5月の衆院経済産業委員会で、白山会の「ライバル団体を批判する質問」(14日付「朝日」)をしていた。また、白山会は、違法DMの発送で、いったん日本郵政公社(現・JP日本郵便)に断られたことから、牧議員側に陳情し、同議員の秘書が同公社に問い合わせし、そのころ、発送が実現したという。

 一方、牧議員は、白山会の会長が経営する会社から2007、08年に計24万円の献金を受けていた。

 国会質問などでの支援企業・団体の擁護と、そこからの政治献金の授受。この“構図”は、昨年秋に発覚したマルチ商法業界と民主党国会議員の癒着に似ている。

 しかも、報道によると白山会創設者はマルチ業界団体と石井氏の仲介役であり、その後、石井氏はマルチ業界支援の議員連盟の名誉会長、牧議員は同事務局次長に就くなど、郵便法違反、マルチ疑惑両方に、共通する人物が登場している。

 牧議員は郵便法違反事件に関する不可解な国会質問について、「依頼されて質問したかのような報道は心外」(14日 TBSニュース)、鳩山由紀夫幹事長も「違法なことをやったとは感じられない」(20日付「産経」)としているが、マルチ疑惑同様、この件についても国民への十分な説明責任を果たすべきではないか。
(公明新聞:4月28日)