北朝鮮抗議決議を採択

核不拡散体制への挑戦
実験強行 政府に制裁強化求める
衆院本会議、全会一致で

衆院は26日午後の本会議で、北朝鮮の核実験に抗議する国会決議を全会一致で採択した。

 決議は「度重なる核実験は国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦」と非難。「唯一の被爆国であるわが国としては決して容認できない」と抗議するとともに、朝鮮半島の非核化に向け、北朝鮮に対し、すべての核放棄と国際社会の査察受け入れに取り組むよう求めた。

 決議は核実験について「先のミサイル発射と並び、わが国を含む地域の平和と安定を脅かすものだ」「最近の核廃絶の機運の高まりに逆行するものであり遺憾の極みである」とも指摘。日本政府は「国際社会と連携しつつ、安全を確保すべく万全の措置を講ずるべきだ」と強調した。

 また、政府に対しては、制裁強化など「断固たる措置」を要求。「拉致問題、核、ミサイルなど北朝鮮との諸懸案を解決すべく外交努力を倍加すべきだ」と明記した。

 共産党は、決議が「制裁強化」に言及したことなどに難色を示していたが、最終的には賛成した。衆院に続き、参院も27日の本会議で同様の内容を決議する見通し。

 衆参両院は2006年10月、北朝鮮の1回目の核実験に対する非難決議を全会一致で採択。また両院は今年4月、北朝鮮弾道ミサイル発射に抗議する決議を、与党や民主党などの賛成多数(共産は反対、社民は棄権)で採択している。


北朝鮮抗議決議(全文)
 

26日の衆院本会議で採択された「北朝鮮核実験実施に対する抗議決議」の全文は次の通り。

 
5月25日、北朝鮮は、国連決議や6カ国協議共同声明、さらには日朝平壌宣言に明確に反して、2回目の核実験を強行した。

 この暴挙は、先般のミサイル発射と並び、わが国を含む地域の平和と安定を脅かすものであり、わが国政府は、国際社会と連携しつつ、わが国の安全を確保すべく万全の措置を講ずるべきである。

 同時に、度重なる核実験は、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であり、唯一の被爆国であるわが国としては、決して容認できるものではない。特に、最近の核廃絶の機運の高まりに逆行するものであり遺憾の極みである。北朝鮮に対し、これまでの諸合意に従い、すべての核を放棄し、国際社会の査察を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むよう要求する。

 政府は、北朝鮮に対して制裁を強めるなど断固たる措置をとるとともに、拉致問題、核、ミサイル等、北朝鮮との諸懸案を解決すべく、国際社会の理解と協力を得つつ、外交努力を倍加すべきである。

 上、決議する。

(公明新聞:5月27日)