住宅用太陽光発電 導入進む

設置費補助が好評
売電価格の倍増も予定

10年でコスト回収可能に
家庭の温暖化対策 公明がリード



今年1月から政府が地球温暖化対策の一環として始めた住宅用太陽光発電導入支援制度の申請件数が順調に伸びている。設置費用に対し一定額を補助する同制度の利用は15日現在で3万6000件を突破。また、現在の約半分に当たる10年程度での設置費用回収を実現させるため、政府は太陽光発電による余剰電力の買取価格の倍増も前倒しして進める方針で、一般家庭への太陽光発電の導入加速化が期待されている。

 住宅用太陽光発電の導入支援は、一定の品質、性能が確保されているものを対象に発電容量1キロワット当たり国が7万円を補助するもの。昨年度第1次補正予算に盛り込まれ、同予算成立を受けて今年1月からスタートした。制度は今年度当初予算でも引き継がれ、来年1月29日まで申請を受け付ける。太陽光発電普及拡大センターの調べでは、15日段階の申請件数は3万6854件に上った。

 住宅用太陽光発電の導入支援は、現在400を超す地方自治体でも実施され、国と地方の制度を組み合わせた利用が可能だ。例えば、東京・墨田区で一般住宅の新築時に発電容量3・5キロワットの太陽光発電システムを設置した場合、国からは24万5000円、東京都(1キロワット当たり10万円補助)から35万円、墨田区(同)から35万円の計94万5000円の補助が受けられる。これに電気料金の節約額と余剰電力の電力会社への売電収入を上積みすると、現状では20年弱で設置費用の回収ができる。

 政府は10日、日本の2020年までの温室効果ガス削減の中期目標を「05年比で15%減」とする方針を決定。目標達成に必要な施策の一つに、20年に太陽光発電を現在の20倍程度とすることを掲げた。一般家庭での太陽光発電システムを一層普及させるには、導入時の支援策とともに、割高さが指摘される設置コストの回収期間短縮による負担軽減が不可欠だ。

 そのため、今国会では一般家庭での太陽光発電による余剰電力買取価格を現行1キロワット24円程度から2倍に引き上げ10年程度でのコスト回収を可能にする、エネルギー供給構造高度化法案を審議中。当初は来年からとした計画を前倒しし、年内中の施行をめざしている。

 地球温暖化対策を前進させる観点から、公明党は一般家庭における太陽光発電の普及促進を強力に推進してきた。

 資源エネルギー庁では、「20年までに20倍」の目標を達成した場合、二酸化炭素(CO2)を05年比で0・9%に当たる1200万トン削減できる見通しを示している。

(公明新聞:6月17日)