民主党は説明責任果たせ

冒頭陳述で検察側
小沢氏側が談合組織に「天の声」

西松違法献金事件初公判


 政治家と企業の癒着の根深さをまざまざと見せつけた。

 民主党小沢一郎代表代行が代表辞任に追い込まれた西松建設による違法献金事件の初公判で、東北地方の公共工事受注業者の選定に決定的な影響力を持っていた小沢氏側の主導によって、西松建設が総額2億円を超える巨額な献金を続けていた構図が明らかにされたからだ。

 検察側の冒頭陳述によれば、小沢氏側は特定企業から多額の献金を受け取っているとの批判を避けるために、西松建設に対して献金名義を分散するよう要求するなど、積極的な働き掛けを行っていたという。

 なぜ、そこまでして巨額の献金を受ける必要があったのか。小沢氏をはじめ民主党には、国民が納得できる明快な説明を改めて強く求めたい。

 今回の事件は、西松建設が小沢氏側への企業献金をダミーの政治団体からの献金と偽り、政治資金規正法違反に問われたものだ。19日に行われた西松建設前社長・国沢幹雄被告の初公判では、同被告がこの起訴内容を全面的に認めた。

 小沢氏や民主党はこれまで、十分な説明責任を果たさないばかりか、的外れな検察批判を繰り返すなど、不誠実極まりない態度を取り続けてきた。

 小沢氏は「一点もやましいことはない」と開き直り、「徹底的に説明責任を果たす」(鳩山由紀夫代表)として立ち上げたはずの第三者委員会でも、「一方的に小沢氏の側に立った報告書」(読売新聞)をまとめ、国民が率直に感じている「なぜ巨額の献金を受けられたのか」「それを何に使ったのか」などの疑問に答えないまま幕引きを意図していると見られている。

 しかし、検察側の冒頭陳述では、小沢氏側が岩手、秋田両県の公共工事で、東北地方の談合組織に「天の声」を出していたと指摘。公判に提出された供述調書から、小沢氏の公設秘書の大久保隆規被告が工事受注への力添えを要請されたのに対し、「よし、わかった。西松にしてやる」と答えた生々しいやりとりも紹介された。

 さらに、大久保被告自身が、ダミー団体名義の献金が実質的に西松建設からの企業献金だと知っていたと認める供述調書も読み上げられた。

 小沢氏側による西松建設への関与が、これほど具体的に示された以上、民主党もこれまでと同様にほおかむりを続けるわけにはいかないだろう。


問われる政権担当力


 かつて民主党西松事件に対して、「天が民主党に課した試練。本番の総選挙前の最終テスト」(菅直人代表代行)などと言っていた。

 政権政党は特に、何か問題が起こったときの危機管理能力が問われる。次期衆院選での政権交代を掲げる民主党だが、西松事件への対応では、何ら説明責任を果たそうとせず、党としてのガバナンス(統治)のなさをさらけ出した。これまでの対応では「落第点」は間違いない。

(公明新聞:6月20日)

「生活第一」と同等のポスターには書いてあるが「政局第一」の間違いだろう。いったいこの政党の議員達は「100年に一度」と言われる経済危機にどういう仕事をしたのだろう。