生活を守り抜く

公明党マニフェスト2009
山口政調会長にポイントを聞く

公明党は24日、8月30日(日)投票の衆院選に向けて、「生活を守り抜く。」と題する選挙公約「マニフェスト2009」を発表しました。その重点政策のポイントなどについて、公明党山口那津男政務調査会長に聞きました。


「政策の真価」問う衆院選
公明は生活者の視点で提言


――衆院選の争点とマニフェストの意義について。

山口那津男政調会長 今回の衆院選は「政権選択」を正面から問う選挙になります。つまり、政権担当力が自民・公明両党にあるか、民主党にあるかを問う選挙です。政権は政策実現の手段であり、その政権がどのような政策を行うのか、まさにマニフェスト本来の真価が発揮される選挙になると思います。


――公明党マニフェストの特色は。

山口 「生活を守り抜く。」というテーマのもと、「清潔政治を実現」「命を守る政治」「人を育む政治」「緑の産業革命」などを重点政策として掲げ、国民生活にかかわる政策の実現をめざしている点です。

公明党は1999年に連立政権に参加して以降、一貫して生活者の視点で政策を提言し、実現してきました。野党は“似て非なる”政策を主張してきたものの、実績はありません。実績を語れない政党には、将来のことや政策の実現は期待できません。また、政策が具体的であれば、実現への道のりは見えています。

各政党の主張を見比べていただければ、公明党は、それらの点で、具体的で確かな実績がありますので、有権者に信頼していただけると強く確信しています。


不正議員は政界退場
高額療養費の限度額引き下げ


――重点政策の「清潔政治を実現」について。


山口 これこそ民主政治の基本です。それができるのは、「政治とカネ」をめぐる改革に確かな実績をもつ公明党です。

具体的には、政治資金規正法の制裁を強化し、不正議員の公民権を停止し、政界から退場させます。

公職選挙法では、政治資金の流れの“出口”、つまり、秘書などが選挙に際して買収や供応を行った場合、その議員も連座制公民権を停止させるという制裁措置があります。

一方、政治資金規正法では、献金などの政治資金の“入り口”については、連座制による議員の公民権停止という規定はあるものの、要件が厳しいため、実際には発動しにくくなっています。これを実効性が伴うよう、秘書などの会計責任者が虚偽記載などの違法行為を行った場合、監督責任のある議員も公民権停止となるように制度改正をします。

このほか、天下りの根絶や公務員の不正経理追放、事業仕分けによるムダ追放、行政コストの節減などもめざします。


――重点政策の「命を守る政治」について。


山口 まず、高額療養費制度を見直します。自己負担限度額以上の医療費を払わずに済む高額療養費制度は、所得区分(低所得者、一般所得者、高所得者)ごとに限度額が決まっています。しかし、一般所得者は、その所得分布の幅が広いために、その中でも比較的所得が低い人にとって、一律の限度額が過大な負担になっています。そうした人たちのために、自己負担限度額を引き下げ、難病や慢性疾患、がん治療などで高額の医療費がかかった際の負担を軽減させます。

また、特別養護老人ホームなどの施設を約16万人分整備し、訪問看護サービス利用者数を10年間で100万人に拡充します。

このほか、医療・介護・生活支援などを備えた「多機能支援センター」の設置や介護職員の処遇改善、がん検診クーポンの継続・拡充、基礎年金の加算制度創設などもめざします。


就学前3年間幼児教育を無償化
「緑の産業革命」で雇用を創出


――重点政策の「人を育む政治」について。

山口 公明党はこれまで、小学校就学前の3年間の子どもに、3万6000円を支給する「子育て応援特別手当」を実現しました。これは、小学校就学前の3年間の幼児教育の無償化への第一歩という位置付けでした。今後は、この幼児教育の無償化を実現すべき課題として提示します。

また、児童手当の対象を、中学校3年生まで拡大し、支給額の倍増をめざします。修学継続が困難な高校生の授業料の減免や、給付型奨学金制度の導入などで教育費の負担軽減も行います。

――重点政策の「緑の産業革命」について。


山口 今後の経済政策の柱としては、地球温暖化対策を見据えた上で、日本が国際競争力を保持しながら国内の雇用を生み出し、経済活性化につながる分野を強力に推し進めていくことが必要です。

これまで公明党が実現させたエコカー普及支援策や省エネ家電のエコポイント制度などは、早速、経済効果が出始めています。太陽光発電の電力買い取り制度などを早期に実施した上で、これらの制度をさらに推進していきます。

このほか、農商工連携や創業支援などで中小・小規模企業の活性化を図り、地域経済を振興し、雇用拡大をめざします。


地域主権道州制めざす
行動する国際平和主義を展開


――このほかの重点政策について。


山口 国の統治の在り方に関して、地方分権を行った上で、「地域主権道州制」を実現します。また、核不拡散条約(NPT)体制の強化を図るなど、核廃絶をリードし、「行動する国際平和主義」を展開します。

――財政運営の在り方や財源確保について。


山口 消費税を含む税制抜本改革については、政府の「中期プログラム」に示された方針・考え方に沿って、(1)全治3年の景気回復を前提に(2)社会保障の機能強化の具体化(3)行政改革・行政のムダ排除の徹底(4)消費税の使途の社会保障少子化対策への限定(5)消費税のみならず税制全体の改革――などの条件の下で、その時々の経済状況をにらみつつ、2010年代半ばまでに段階的に実行します。

――マニフェストの今後の展開について。


山口 衆院選公示までに、状況に応じて項目を追加することもあります。

また、連立を組む自民党マニフェストを作成中であり、与党共通のマニフェストも提示したいと思います。

かつてない厳しい逆風の中、党員・支持者の皆さまには、公明党へのご支援をいただき、本当にありがとうございます。公明党の議員が一丸となって、このマニフェストを訴え抜き、死に物狂いで戦い、断じて勝利してまいります。
(公明新聞:7月26日)