長期失業者の再就職へ

訓練・生活支援スタート
公明の主張受け実現


29日から給付、融資で最大月20万円


 長期失業などで雇用保険を受給できない場合、生活費の支給を受けながら職業訓練を受けられる「訓練・生活支援給付」制度が29日からスタートする。最大20万円の生活保障を受けながら情報技術(IT)や介護などの職業訓練を受けることが可能となり、再就職支援策として大きく期待される。

 同制度は、2009年度補正予算で創設された「緊急人材育成・就職支援基金」で実施され、職業訓練期間中の生活保障として、単身者は月額10万円、被扶養者がいる場合は月額12万円支給される。支給期間は最大2年。

 支給対象は、世帯の主たる生計者であり、雇用保険の給付を受給できない求職者。年収は200万円以下、世帯全体でも300万円以下となっている。住居地以外に土地や建物を所有していないことなどが要件。算定対象となる月の訓練出席日数が8割に満たない場合は、それ以降の支給は受けられなくなる。

 また、給付金だけでは生活費が不足する場合、希望すれば単身者は月5万円、被扶養者のいる場合は月8万円を上限に融資(貸付利率3%)を受けることもできる。訓練修了後6カ月以内に6カ月以上の雇用が見込まれる就職をした場合は、融資額の50%相当の返済が免除される。

 給付金を受給するためには、ハローワークで求職申し込みを行い、職業相談を受けた上で職業訓練の受講申請が必要。訓練受講が決定した後、給付金の受給資格認定の申請を行い、中央職業能力開発協会による審査を経た上で、給付金受給の申し込みが行える。

 1回目の支給は、訓練開始前に受給資格認定の申請をした場合、訓練開始日からおおむね2〜3週間後となる。それ以降も、支給申請を遅れずに行えば、同時期に支払われる。

 公明党は、職業訓練期間中の生活保障など、新たな雇用安全網の充実を一貫して主張。今年3月10日には、党労働政策委員会(福島豊委員長、衆院選予定候補=大阪6区)が「更なる雇用対策の拡充」を提言。この中で「就労・生活支援給付」の創設などを提唱した。そして同19日には、与党プロジェクトチームとして首相に要請。こうした取り組みが実り、「緊急人材育成・就職支援基金」の創設に至った。
(公明新聞:7月28日)