「人を育む政治」を断じて前進

教育費負担の軽減と公明党

 家計に重くのしかかる教育費負担。公明党は、経済力の違いにかかわらず、誰もが等しく教育を受けられるよう、教育費負担の軽減に一貫して取り組んできた。「幼児教育の無償化」や、「奨学金の拡充」など、公明党衆院選マニフェストで掲げる公約と、これまでの取り組みを紹介する。



幼児教育


「無償化」をいち早く提唱 公費負担の割合はOECDで最低レベル
第一歩として子育て応援特別手当を実現


 幼児教育について公明党は、2006年の党全国大会の運動方針で無償化をいち早く提唱して以来、一貫して推進してきた。衆院選マニフェストにも「幼児教育」の無償化を盛り込み、幼稚園や保育所認定こども園に在籍する子どもの保育料を無償にすることをめざしている。

 すでに、公明党の強い要請により、無償化に向けた第一歩として、幼児教育期に当たる小学校就学前3年間の子どもに年額3万6000円を支給する「子育て応援特別手当」が08、09年度の各補正予算で実現。関係者から高い評価を受けている。

 教育は、健やかな成長の基盤をつくり、望ましい人格形成を図る上で重要な営みであり、特に幼児期の教育は成人後まで影響が及ぶことが指摘されている。また、子育て支援に関して、内閣府のアンケートでは、「幼稚園費等の軽減」を求める声が最も多く寄せられている。



 一方で、日本の就学前教育費の公費負担割合44.3%は、経済協力開発機構OECD)諸国と比較してみると、26カ国中24位と最低レベルにあるのが現状だ(順位は数値不明国を除く)。その分、家庭での教育費の負担が高くなり、その他の比率も(1)幼児1人当たりの就学前教育費は25カ国中19位(2)初等中等教育費に対する幼児教育費の割合は25カ国中22位――となっている。

 幼児教育については、政府の審議会などからも、相次いで無償化が望ましいとする報告がまとめられている。

 政府の教育再生懇談会が5月にまとめた第4次報告では、幼児教育無償化の早期実現や、家計が苦しい高校生に対する給付型教育支援制度の検討などを提言。文部科学省有識者研究会も同月に中間報告をまとめている。

 有識者研究会の中間報告では、アメリカやイギリスの調査結果から、幼児期の質の高い教育がもたらす効果として、(1)将来の成績の向上(2)進学率の上昇(3)所得の増大(4)非行・犯罪率の減少――などを例示。

 また、各国の取り組みについても触れながら、欧米先進国が人格形成や犯罪減少などの観点から幼児教育の無償化に踏み出し、無償化が今や世界の潮流となっている現状を紹介。フランスや北欧では公立を中心に幼稚園が整備されており、伝統的に幼児教育は無償で、英国ではすべての3歳児、韓国では5歳児の約3割が無償となっている。



奨学金


貸与枠を115万人に拡大 希望者ほぼ全員が受けられる制度に大転換
マニフェストで 「給付型」打ち出す

 学生が経済的な心配をせず、安心して勉学に励めるよう、公明党は一貫して奨学金制度の拡充に取り組んできた。

 特に同制度の歴史的な転換を実現したのが、1999年度にスタートした有利子奨学金「きぼう21プラン」。公明党は、前年の98年3月に、家庭の教育費負担の軽減を図るため、「新教育奨学金の創設」を提言。99年度の予算編成に当たって、政府・自民党と粘り強く交渉し、有利子奨学金の大幅拡充や対象人員の増員などを勝ち取った。

 同プランによって、奨学金制度は一握りの英才を育てるそれまでのものから、希望者ほぼ全員が貸与を受けられる制度へと生まれ変わった。

 連立政権参加後も公明党は、一貫して貸与人員枠の拡大などを強力に進め、今年度(2009年度)の有利子、無利子を合わせた貸与枠は115万人に上っている。さらに今年度から、入学金用の奨学金の貸与額が10万円、20万円、30万円、40万円、50万円の中から選べるようにもなっている。

 また、経済危機によって修学継続が難しくなった学生への支援を拡充するため、09年度補正予算では、保護者の失職や病気などで家計が急変した場合に緊急で申し込む「緊急採用奨学金」(無利子)の貸与人数を、約4000人から約8000人に倍増。また、奨学金の返還困難者に対しては、猶予が受けられる所得基準を緩和し、10万人まで猶予可能となるよう対応している。

 さらに、衆院選マニフェストで、高校生の授業料の減免や、返済義務のない「給付型奨学金」制度の創設を提唱しており、教育費負担のさらなる軽減に取り組んでいる。


高校授業料の減免もリード


 09年度補正予算では、教育費負担への緊急支援として646億円を計上した。緊急支援の柱は、高校生の授業料減免や奨学金の拡充など。高校生の授業料減免については486億円が充てられ、都道府県に基金を設け、授業料減免補助や奨学金事業の今後の増加分(3年分)を支援する。

 緊急支援は、経済的理由で授業料が納められず中退を余儀なくされる学生などを守るため、公明党が、その必要性を一貫して主張し、実現した。昨年(2008年)12月には浜四津敏子代表代行と文部科学部会(池坊保子部会長)が鳩山邦夫総務相に高校生の授業料減免などを要請。国会の委員会質疑などでも、この問題を再三取り上げ、支援拡充を推進してきた。

 さらに公明党は、家計にかかる教育関係費の一部の税額控除や、親の所得に合わせて高校の授業料を段階的に減免することなどを衆院選マニフェストに掲げ、取り組みを進めている。

(公明新聞:8月4日)