民主マニフェスト「ねこだまし」と身内も批判

 「ふざけるなマニフェスト! 本心をひた隠し」――民主党が7月27日に発表したマニフェストに対し、“身内”のはずの民主党都議会議員が痛烈な批判、党内外に波紋を広げている。

 ホームページ上のブログで批判を始めたのはT都議。民主党の政策集には盛り込まれている元慰安婦に謝罪と金銭支給を行う、過去の日本の「罪」を追及する恒久平和調査局の設置などが、マニフェストから抜け落ちたことについて、「そんな政策を掲げて選挙をやれば、民主は『第二社会党』だと批判を受けるから」「書いたら、国民の支持を得られないと判断したからだ」と指摘した上で、「『ねこだまし』で、国民に正確な政権構想を『知らせない』ことにしたのだ。こんな『姑息なことはない』」と激しく批判。

 揚げ句は「国民の高い支持率を悪用して、『本心』を書かないとは、政治家として、政党職員として、それよりも人間としての良心の問題である」とまで糾弾している。

 民主党マニフェストは、発表以来ゴタゴタ続きだ。鳩山由紀夫代表は7月29日、世論の支持が高い大阪府橋下徹知事から国と地方の協議機関の法制化が抜けていると批判されると、「正式なマニフェストではない」と発言。

 マニフェスト発表時に「実現できなかったときは責任を取る」とまで豪語した鳩山氏の“非正式”発言に、与野党から批判が相次ぐと、2日後には岡田克也幹事長が「正式なマニフェストだ。ただ、最終版ではない」と、代表発言を訂正する醜態をさらした。
 民主党マニフェストでも党内はバラバラのようだ。
(公明新聞:8月4日)