民主が迷走「一度は任せたら」で都議会空転

7月の東京都議選で、大幅に議席を増やし、比較第1党となった民主党が主導したことで、都議会の臨時会(本会議)が予定の10日に開かれず流会となった。新たな議長や常任委員会の構成などを決める臨時会が開かれないという異常事態で、都議会は空転している。

 今回、民主は、1963年以来、全議員の合意で招集されてきた慣例を無視して、共産党などとともに、多数議席をテコに、強引に臨時会の招集を決めた。さらに臨時会の議事について、自民、公明の両党に一方的な要求を突き付けてきた。

 その一つは、新銀行東京築地市場移転に関する二つの特別委員会の設置だ。しかし、「新銀行」と「築地」は、常任委員会で審議が継続している問題であり、特別委の設置は常任委の議論を経て決めるのが本来のあり方。また、九つの常任委の議員の配分についても、民主は自分たちの都合で、慣例を無視した方法を提示してきた。自民と公明が合意しなかったのは当然だ。

 そこで民主は「多数」で決める構えをとったが、その後、合意を取り付けようとして、自民、公明に協議を求めるなど迷走。この民主の「協議」も、自らの要求を主張するだけで、合意を見いだそうとするものではなく、衆院選を前にして、「多数の横暴」と映ることを懸念した“ポーズ”でしかなかった。

 党利党略で、都民のための大切な議会をないがしろにした民主の罪は重い。「一度は民主に任せてみたら」と思い、都議選で一票を投じた有権者も多いだろうが、しかし結果は、この始末だ。
(公明新聞:8月14日)