エコポイント 制度継続を明確に表明せよ

景気浮揚、低炭素化への後押しは重要

地球環境に優しい省エネ家電の普及を後押しするエコポイント制度の継続をめぐり、政府の対応が割れている。


公明党の強力な推進によって政府の経済対策に盛り込まれたエコポイント制度は、来年3月31日までに購入したエアコン、冷蔵庫、地上デジタル放送対応テレビの対象製品に対し、一定のポイントが付与される時限措置(商品との交換は2012年3月31日まで)であるが、15日に締め切られた各府省の来年度予算概算要求では、環境省が制度の継続について予算額を明示しない形で盛り込む一方、経済産業省総務省は予算計上を見送った。


改めて確認するまでもないことだが、エコポイント制度の目的は、まず第一に世界的な経済危機から一刻も早く脱却するために、需要を下支えするとともに、個人消費を喚起することにある。第二に省エネ家電を普及させることで、環境負荷の少ない低炭素社会への転換を強力に進めることにある。


どちらの点にしても、エコポイント制度がその役割を十分に果たし終えたとは言い難いのが現状だろう。政府には来年度以降も制度を継続するよう、強く要請したい。
エコポイント制度の威力は、すでに実証済みだ。


内閣府が8日に発表した9月の景気ウオッチャー調査では、3カ月前と比べた街角の景況感を表す現状判断DI(指数)が前月比で1・4ポイント上昇して43・1となり、2カ月ぶりに改善した。大型連休のシルバーウイークで旅行関連が好調だったこともあるが、エコポイント制度をはじめとした消費刺激策が家電などの販売増加の維持に貢献しているのは間違いない。


今後、懸念されている“景気の二番底”を避けるためにも、引き続き需要創出、消費喚起を促すなどの景気浮揚の取り組みは重要だ。


一方、低炭素化を推進する施策についても、ここで手を抜くわけにはいかない。


鳩山由紀夫首相は、2020年までに二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減すると気候変動に関する国連首脳会合で表明している。この国際公約を達成するために、政府は温室効果ガスの削減につながる、あらゆる政策を総動員する必要があるのではないか。


エコポイント制度は国民からの人気も高く、関係業界も継続を強く望んでいる。政府には、こうした現場の声に真摯に耳を傾け、エコポイント制度の来年度以降の継続を明確に表明してもらいたい。


国会の場で説明を


鳩山首相の就任後初となる所信表明演説が行われる臨時国会が、ようやく26日に召集される。エコポイント制度に限らず、政府の態度がはっきりしない問題はほかにもある。国会の場で見解を明らかにすべきだ。


公明党は国民の立場から、鳩山政権の考えを厳しく問いただしていきたい。
(公明新聞:10月17日)