何のための補正停止か

“人にやさしい政治”と言うが 国民生活に重大な影響
山口代表が鳩山政権批判

公明党山口那津男代表は22日昼、党本部で記者会見し、政府が補正予算を執行停止した事業の中には、国民生活に多大な影響を与えるものがあることを指摘。鳩山政権が主張する“いのちを守る政治”“人にやさしい政治”などの方針と矛盾するとして、「具体的にやっていることが、本当に(方針に)沿うものかどうか。訴えるべきところは訴えていく」と批判した。


 この中で山口代表は、執行停止された「子育て応援特別手当」について、兵庫県三木市など自治体が独自で支給を決めた事例を紹介し、「(自治体が)緊急性や地域の経済事情に応じて実施することであり、公明党として地方議員と連携しながら支援していきたい」と強調。


 同手当の停止によって、すでに自治体が使った経費と、停止するため新たに必要となる事務費が131億円に上る見通しであることに触れ、「これが、ある意味でムダになるのは配慮を欠いた措置だ。何のための執行停止か」と政府の対応に疑問を呈した。


 さらに、鳩山由紀夫首相が臨時国会で行う所信表明演説で「いのちを守る政治」などの方針を示すと報道されていることに言及。その上で、がんや小児用医薬品の承認審査を短縮するための必要経費(25億円)や研究開発強化費(653億円)も執行停止されたことについて、「人の命にかかわる分野で影響も出始めている」と指摘した。


 また、新型インフルエンザのワクチン接種をめぐり、優先順位や接種回数などの方針策定で混乱した政府の対応を批判し、「健康に関し、急を要するものであり、いち早くパッケージとして対処方針を示してもらいたい」と強調。ワクチン接種費用の経済的支援策の必要性については「大勢の国民に接種を求めるのであれば、経済的負担に耐えられない人には配慮することを検討してもいいのではないか」との考えを示した。


 一方、来年の参院選の候補者選定作業について「代表、幹事長に一任されている。検討中という状況であり、具体的に話す段階ではない」とし、一部報道された内容については「承知していない」と述べた。
(公明新聞:10月23日)