若者が希望持てる社会に

ニート対策など自立への支援強化

青少年の健全育成


 今月は、「全国青少年健全育成強調月間」――。青少年の社会的自立の促進や生活習慣の見直し、児童虐待の予防などを柱として活動が展開されている。青少年育成への理解を大きく広げていきたい。


 青少年をめぐる環境は、大きく変化している。具体的には、急速な少子化や就業形態の多様化、情報化社会の進展などである。また、少年による重大事件やいじめ、児童虐待なども相次いでいる。さらには、有害情報の氾らんも見られる。


 こうした環境変化の中、特に危惧されることは、若年失業者とも言われるニートやフリーターの存在である。社会的自立が困難な青年が増加している。


 2009年版青少年白書によれば、ニートやフリーターは、非正規雇用者の増加とともに、青年世代で広く見られる。こうした傾向は、20歳前半までと思われがちだが、20代後半から30代前半でもはっきりと表れている。


 青年の社会的自立の遅れは、国の活力が削がれることにつながり、社会にとっては、まさに損失だ。また、非婚化、少子化につながるとの指摘もある。社会の繁栄のためにも、社会的自立の遅れは、国が総力を挙げ克服すべき課題だ。


 そこで、今年の通常国会公明党の推進によって「子ども・若者育成支援推進法」(ニート支援法、来年4月施行予定)が制定された。ニートや引きこもりの若者らの就業や就学などの後押しを目的としたものだ。青年の社会的自立を具体的に進める一歩として評価したい。


 現在、各自治体では、ニート支援法の柱として位置付けられている「子ども・若者支援地域協議会」の設置へ向けた準備が始まっている。協議会は、社会を挙げて青年を支援するネットワークの実現をめざし、ハローワークや民間非営利団体NPO)などの関係機関で構成される。


 ニートなどからの脱出は、自身の“やる気”に加え、職業訓練をはじめとした行政などによる手助けも欠かせない。多くの専門家がかかわる協議会を通して、社会的自立をかなえる青年が続くことを期待したい。


国の将来を背負う青年


 公明党は、青年が希望に満ちた活気あふれる社会を築くため、青年委員会を設置し、青年支援を積極的に進めている。


 今年1月の衆院代表質問で太田昭宏代表(当時)は、若者の自立を支援する新法の必要性に言及し、「総力を挙げて若者が希望を持てる社会を築かねばならない」と強調した。


 また、これに先立ち、党青年委員会は、08年12月に小渕少子化対策担当相(当時)に新法制定を要望していた。谷合正明・党青年委員長(参院議員)は、「国の将来を背負っていくのは青年」と力説している。


 青年の育成は、社会全体の責任である。家庭や学校、地域など、皆で青少年の育成に全力で取り組みたい。
(公明新聞:11月10日)