チェック!鳩山政権

鳩山献金に新疑惑
母から9億円。一部偽装に 首相の国会答弁と食い違い

連日のように新たな疑惑が報じられる鳩山由紀夫首相の献金偽装問題。虚偽に満ちた首相の会計処理に「『ずさん』にも限度がある」(26日付「朝日」)など批判は日増しに強まっている。


特に、実母の資金が偽装の原資に充てられていた疑いが浮上したことで、一層厳しい立場に追い込まれている。


報道では、鳩山首相の実母が5年間に自らの口座から計約30億円を引き出し、うち約9億円を首相側に提供。このうち、約1億円が献金偽装の原資になっていたという(27日付「毎日」)。これは「(実母の金は)ないと信じている」との首相の国会答弁と食い違う。


実母による資金提供が事実なら首相の説明が必要だろう。首相個人への贈与の場合、首相に贈与税の支払い義務が生じ、献金だとすれば、政治家以外の個人が一つの政治団体献金できる上限額(年150万円)を超える法律違反になる。また、首相の資金管理団体への貸付金だと言うのであれば、借用書などの裏付けを示すべきだ。


首相の献金偽装総額は6月の会見では約2177万円だったが、いまや「4億数千万円」(25日付「日経」夕刊)ともいわれる。この点についても首相から詳細な説明はない。


こうした態度に新聞各紙は社説で「国民の誰もが疑問に思う」(27日付「東京」)、「首相はなお口をつぐむのか」(27日付「日経」)、「自分のカネなのだから問題ないと高をくくっていたとすれば、思い違いもはなはだしい」(26日付「朝日」)などと一斉に批判している。


国会では、首相が集中砲火を浴びかねないと、新政権になって一度も党首討論が開かれていない。首相はいつまでも逃げ回らず、深まる疑惑に正面から答えるべきだ。
(公明新聞:11月29日)