振り込め詐欺に注意しよう

「空き巣」から家庭守る細心の備えを

防犯対策


 あすから師走。何かと気ぜわしい時期だけに、防犯対策には十分に気をつけたい。


 この時期は、お金の出入りも激しく、年末年始などには帰省や旅行で家を空ける人も多い。再び被害が増加しているオレオレ詐欺などの「振り込め詐欺」や、留守を狙った「空き巣」の被害から家族の安全や財産を守る備えに万全を期したい。


 振り込め詐欺は、被害者に対面することなく現金をだまし取る匿名性の知能犯罪。オレオレ詐欺架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺の四つに分けられる。


 このうち親族をかたるなどして現金を振り込ませるオレオレ詐欺の被害は、2004年にピークを迎え、被害額は月平均約16億円にも達した。取り締まりを強化した昨年秋ごろから激減し、今年5月には過去最少の約3億2000万円にまで減ったが、9月には前月比3割増、さらに撲滅強化月間の10月は被害者防止対策を強めたにもかかわらず前月の4割増と、再び被害が膨らんでいる。


 それだけ手口が巧妙化しているということだ。最近は「携帯電話の番号が変わった」と言い、「株で失敗した」「友人から借金した」「会社の金を使い込んでしまった」などと現金を要求する手口が多い。また、振り込みを要求せず、「上司が取りに行く」「バイク便業者を向かわせる」などと言って、だまし取る新たな手口も増えている。


 いずれにしても、その場では話に乗らず、あわてずに対応することが大事だ。合言葉を決めておいたり、現金自動預払機(ATM)の利用限度額を引き下げておくことも大切だ。


 有料サイト利用料などを装って現金をエクスパックで送らせる架空請求詐欺の被害も多い。エクスパックで現金を送ることはできないので、確実に詐欺であることを知っておきたい。また、地上デジタル放送移行などを口実にした、その他の振り込め詐欺にも十分注意したい。


 一方、住宅を狙った侵入窃盗は、03年の約19万2000件をピークに減少傾向にある。とはいえ、今年1〜6月の上半期も4万2578件と、いまだに多くの住宅が泥棒の被害に遭っていることに変わりはない。


 侵入窃盗の大半は留守宅に侵入する「空き巣」被害だ。侵入手段は、窓からガラスを破って入る手口が圧倒的に多い。


 侵入窃盗犯の約7割は侵入に5分以上かかると諦めるといわれている。このため、シール式の補助錠を取り付けたり、簡単にガラスが割れないように防犯フィルムを張るなど、窓の防犯性を高める二重、三重の対策を講じておくのも効果的だ。


すべての施錠が基本


 また、意外に多いのが鍵のかけ忘れ。一戸建ての場合、侵入窃盗犯の約3割が無施錠の玄関や勝手口、部屋の窓から堂々と盗みに入っている。ちょっとした外出でも「すべての施錠」を習慣づけたい。旅行の際は外から留守を悟られないよう、新聞や郵便を止めるのも基本だ。
(公明新聞:11月30日)