民主党政権の限界を露呈

政策決定システムが機能不全

高速新料金の迷走

 これほど方針がぶれては国民がたまらない。鳩山政権の政策決定システムが完全に機能不全状態に陥っていると断じざるを得ない。

 高速道路の新料金制度をめぐる政府・民主党内の動きが混乱の極みに達している。

 そもそもマニフェストで打ち出した財源無視の「完全無料化」の約束はどこへ行ったのか。結局、前原国土交通相が公表した「実質値上げ」の新料金が導入されるのか。それとも小沢幹事長が“待った”をかけた「見直しの見直し」に進むのか。何が何だかわからないといった思いで、国民は途方に暮れている。

 「鳩山政権の政策決定の迷走には、いい加減うんざり」(23日付 朝日)、「首相が掲げる『政策決定の内閣一元化』が名ばかりであることがはっきりした」(同 読売)、「もはや政権の体をなしていない」(同 日経)など、マスコミ各紙も痛烈な批判を浴びせている。公明党山口那津男代表も「政策決定そのものが訳がわからなくなっている」と、内閣の政権運営能力の欠如を厳しく指摘した。

 新料金をめぐるドタバタ劇の第一幕は、国交相が9日、「無料化」の逆を行く実質値上げ策を発表して始まった。この時の首相のセリフは「(前原案の)方向性は間違いでない」だった。

 ところが、関連業界などが強い不満を示すと、閣内や民主党内から異論が相次ぐ。かくして21日、場面を政府・民主党首脳会議に移して第二幕の幕が上がる。席上、党の実権を握る小沢幹事長が「国交相の見直し策を見直す」よう求めると、首相は前言をあっさり覆して「政府が引き取って見直す」ことを了承した。

 国民不在のドタバタ劇はまだ続いた。翌22日、国交相が方針転換に反発すると、首相はまたも前言を翻して「現時点では見直しを行わない」と明言。さらにその翌日の23日夜になると、首相は官邸で記者団に「変えるべきところがあれば変えるのは当然のプロセス」と開き直り、またしても「見直し」に逆戻りしてしまったのだ。政府方針が一日ごとに変わるなど、前代未聞の異常事態というほかない。

 二転三転の「鳩山劇場」は郵政見直しや普天間問題でお馴染みとはいえ、ここまで政権の迷走ぶりを見せ付けられると、国民は不安を募らせる一方だろう。日本の政治そのものの劣化が危惧される。

 党内の権力構造に問題があるのか、首相の指導力不足に起因しているのか。いずれにせよ、民主党政権の限界がくっきりと見えてきた。
(公明新聞:4月26日)

もう本当にどうなってんだ?と新聞、報道等から伝わる現政権の体たらくに憤慨されている方も多いのでは?私も何もあげあしを取ってるのではなく、事実を見れば「何で?」と思う事ばかり。これが自身の勤める会社だったらどうでしょう?どこからも信用されないのでは。