「弥富市の防災を考える・被害者ゼロを目指して⑤」

前回は弥富市に起こり得る風水害についてのレポートでした。
今回ももう少し、風水害について考えてみましょう。

弥富市に住まわれている方は、地震による津波、台風による高潮、豪雨による冠水浸水被害など、海抜ゼロメートル以下を意識して水による被害に捉われがちです。

確かに報道などでは冠水浸水により、水路に落ちたり、濁流に流されるなどで命を落とされた方などのニュースが多いのですが、特に台風においては風による被害も警戒しておかなければなりません。

実際、台風による死者の多くは強風によるもので、台風の接近中に屋根に上っていて飛ばされて転落したり、飛んできた瓦が当たったりするなど、屋外での作業中に被害に遭う方が多いのです。

もっと早く台風に対する備えを完了し、強風時には屋外へ出ないでいれば、被害に遭わなかったのにと悔やまれます。

また、被害にあわなくても暴風や落雷により電気が止まるなどの被害も起こります。

直ぐに復旧すれば問題ありませんが、規模によってはそうもいかない事もあります。現代人は、ほんの数時間、電気が止まってしまっただけで、大変な不自由を感じます。広域になれば電車も止まります。

またマンションなどの集合住宅では電気が止まると給排水も止まる事を知っておかなければなりません。

もし長期に渡り停電してしまうと、医療機器を携らないといけない疾患を抱えておられる方などは生死にも関わってくるのです。

このこともしっかり想定し、飲料水・食料の備蓄、懐中電灯などの常備は当然として、非常時の情報収集手段、浴槽に水をためて置く事も必要です。肝心なのはトイレです。

数日間使用できる便袋などは各家庭で常備しておく事が大切です。

市としてもトイレも含めて水・食糧も備蓄しておりますが、数には限りがあり、また冠水浸水している状態で全ての被災市民に即時に届けることは不可能だからです。

「自分の命は自分で守る」自助としての備えを災害被害と同時に深く想定する事で「次に何が必要か?事前に準備すべきは?」が明確になってきます。

今回はここまでです。
次回は自助・共助の大切さについて考えてみたいと思います。