「弥富市の防災を考える・被害者ゼロを目指して③」

前回は災害を「正しく怖がる」という観点から、地震についての心構え、備えについて考えてみました。

今回は、その地震でも海溝型巨大地震による津波、また海溝型、直下型、いずれかの地震で起こり得る木曽川堤防の決壊による浸水被害に備えて、地震発災時、ご自身の命を守れたのであれば、次に起こり得る事象にはいかに備えるか、を考えていきたいと思います。

台風や集中豪雨などの風水害、ある程度予測できる災害と違い、地震による津波、堤防決壊による浸水は緊急避難を要する事から、原則、「垂直非難」です。

そのため、ほぼ全域が海抜ゼロメートル以下の弥富市では、津波や高潮などの浸水災害に備え、耐震基準をクリアした3階以上の民間の建物も含め「津波・高潮緊急一時避難所」として設置されています。
一人当たり1平方メートルで、市内に42箇所、47,300名分の避難場所が確保されています。

集合住宅であるとか強固で充分な高さのある家屋にお住まいの方は、緊急避難しなくても大丈夫ですが、倒壊したり、高さのない家屋にお住まいの方は、地震直後のパニックがさめ止まぬまま直ちに行動に移さねばなりません。

一時避難場所に関しては、建物の規模により収容できる人数にも差があり、誰がどこへ、この地域はあの場所へと、地域またはコミュニティ単位でシミュレーションを繰り返し、おおよそ決めておかなければ混乱に陥いってしまいます。

このことは、弥富市の近隣市町村でも同じことが言えます。

ここで確認しておかなければならないのは、災害、即避難所、即一時避難所、ではなく、避難は「命を守る行動」の中の一つであるという事。
もう一つは、地震災害は何時起こるかわからないので、せめて在宅時、就寝時、学校や職場など、日頃の生活で占める時間の多い順でも結構ですから、この時はこうする、この時はあの場所へ、シュミレーションを繰り返しておく事も大切です。

もう少し「自助」の範疇での備え、行動を考えてみましょう。
今回はここまでです。次回は風水害についてです。