「弥富市の防災を考える・被害者ゼロを目指して②」

前回は災害に対して「正しく怖がる」ことから「いかに備えるか」を具体的に考える、というところまででした。

今回からは弥富市に起こり得る災害で、先ず「地震」について考えてまいりたいと思います。

この30年以内に60%から70%の確立で起こると予測されている海溝型巨大地震南海トラフ巨大地震。その規模はM8からM9とされています。

また、弥富市の近郊の長島、桑名には大きな活断層があり、直下型地震も想定をしておかなければなりません。いずれも震度6以上が襲うとされており、市内の家屋は築年数からその30%から40%は倒壊の危険があります。

6,434名の尊い命が奪われた阪神・淡路大震災では、その85%に当たる5,483名の方は、家屋の倒壊や家財道具の転倒による圧死、外傷性ショック、直後の火災でお亡くなりになっています。

この事実をしっかりと教訓として受けとめるならば、まず取り組まなければならないのは家屋の耐震改修・補強であり、家具などの転倒防止、ガラスの飛散防止対策であります。

防災の話題でお話しするとき、多くの皆さんは「自分は生き残っている」ことを前提に、海溝型地震の際、次に襲い来る津波の心配をされます。

確かに、津波への対策は考えておかなければなりません。そのためにも地震の発災時、直後にご自身の命を守る「備え」を万全にしておかなければなりません。ご自身が生き残らなければ、ご家族もご近所も、誰も救うことは出来ません。

地震の怖さを正しく知れば、取り組むべき課題が明確になってまいります。今一度、「もし、地震が来たら」ご自分の命を守る術は万全か、様々な状況に思いを巡らせ、具体的な備えを行っていただきたいと思います。

今回はここまでです。次回は津波、そして風水害について考えていきたいと思います。